ジャスティン・ウーさん(28歳、音訳)は上海の広報責任者で、音声の書き起こしが重要な仕事だ。中国のテック企業が開発したスマート録音ペン(ペン型ボイスレコーダー)は彼の最高のパートナーだ。ウーさんは、「この録音ペンの音声認識技術により作業時間が少なくとも9割は減った。このデバイスは私でも聞き取れない方言や訛りを識別できる」と話す。シンガポール紙「ザ・ストレーツ・タイムズ」が伝えた。
技術はすでに中国の日常生活に深く根を下ろしている。人工知能(AI)は交通からショッピングに至る各方面に原動力を提供している。世界市場調査会社のイプソスが昨年行った調査では、「AIを搭載した製品とサービスは利益が弊害を上回る」とした中国人回答者が78%にのぼったが、米国人回答者は35%に留まった。
中国の多くの職場では、従業員の顔認証デバイスが用意されている。これらのデバイスはさらにコンビニでの顔認証によるショッピングを可能にしている。中国各地の都市は各発展段階の自動運転タクシーを提供している。北京市の一部地域の住民は、スマートフォンをタップするだけでこれらの自動運転車を呼ぶことができる。中国の多くのECプラットフォームは「C2M」というシステムを持つ。同システムはAI駆動の行動データを使用し、テレビや衣料品などの各種製品を生産するよう工場に通知する。
世界的なデータ企業であるStatistaのデータによると、中国のAI産業規模は2020年の90億ドルから22年の140億ドルに拡大した。23年には290億ドルに、30年には1050億ドルにのぼる見込みだ。スタンフォード大学の2023年版の「AI Index」レポートによると、中国はAI学術誌の論文掲載でリードしており、世界全体の4割弱を占め、EUの15%と米国の10%を上回っている。
ところが中国と米国の日増しに激化する戦略的競争は、そのAIの野心を抑える可能性がある。米国は先端技術の中国大陸への輸出を規制している。中国の主要半導体メーカーである中芯国際は現在も最先端技術の面で遅れを取っている。
ウーさんのような毎日AIを使用する中国人にとっての未来は明るい。ウーさんは、中国の技術の飛躍が続くにつれ、中国は公平で激しい競争においてより強く大きくなると見ている。「中国の成長を制限する米国のやり方にはまったく賛成できないが、わが国が米国を追い抜くことを信じている」
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年9月13日
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