清華大学が31日に発表した情報によると、清華大学と宣武病院のチームは初となるワイヤレス低侵襲ブレイン・マシン・インタフェース(BMI)の臨床試験に成功した。
情報によると、清華大学医学院の洪波教授がチームを率い設計・研究開発したワイヤレス低侵襲植え込み式ブレイン・マシン・インタフェース「NEO(Neural Electronic Opportunity)」の、初となる臨床植え込み試験が2023年10月24日、宣武病院で成功した。チームは2024年1月29日に臨床試験段階を締めくくる会議を開き、1人目の患者のBMIによるリハビリに大きな進展があったと発表した。
説明によると、1人目の患者は交通事故で脊髄が完全損傷し、四肢麻痺になり14年が経過していた。同システムはワイヤレス低侵襲設計を採用。体内デバイスを頭蓋骨内に埋め込み、電極を硬膜外(硬膜は頭蓋骨と大脳皮質の間に位置し、神経組織を保護する役割を果たす)に置いた。大脳細胞を損傷せず、患者は術後10日で退院。
情報によると、患者は自宅でのBMIリハビリにより、脳波活動によって空気圧手袋を操作し、自分で水を飲むなどの脳制御機能を実現した。握力プロファイル解析の精度は90%以上。患者の脊髄損傷のASIA臨床評価スコアと感覚誘発の電位反応がいずれも大幅に改善された。
「シリコンバレーのアイアンマン」と呼ばれる米著名経営者のイーロン・マスク氏は北京時間1月30日、「昨日、初のヒトの患者がNeuralinkの植え込み手術を受けた。現在は順調に回復している」と投稿した。説明によると、マスク氏が率いるNeuralinkと異なり、NEOは電極を硬膜外に置き、長期的な動物実験により開発されたもので、神経組織を傷つけることはない。NFCワイヤレス充電と信号伝送を採用し、体内に電池を植え込む必要がない。
情報によると、2人目の脊髄損傷患者の植え込みが2023年12月19日、天壇病院で成功した。患者は自宅でリハビリ中。このワイヤレス低侵襲BMIの臨床試験は2023年4月と5月に宣武病院と天壇病院で倫理審査に合格し、かつ国内外の植え込み医療機器の臨床試験登録を行った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年2月2日