アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビの中心部から南に約45キロ離れた砂漠の奥地に、中国企業が建設を請け負ったアルダフラ太陽光発電所がある。単一の発電所としては世界最大級の太陽光発電所で、「一帯一路」共同建設構想のグリーンエネルギー分野における重要なプロジェクトでもある。
中国エンジニアリング大手の中国機械設備工程は2020年、発電所の設計・調達・建設を一貫して請け負うEPC事業者としてプロジェクトを請け負った。プロジェクトは21年1月に着工し、23年6月に商用運転を開始した。同社が今後2年間、運営とメンテナンスも担当する。
敷地面積は約21平方キロ、設備容量は2・1ギガワットで、発電電力量はUAEの20万世帯分の電力需要に対応できる。二酸化炭素(CO2)排出量を年間240万トン以上削減し、地元に約5千人分の雇用をもたらし、UAEのエネルギー構造に占めるクリーンエネルギーの割合を13%以上に引き上げている。
中国側建設チームの責任者を務めた中国機械設備工程アブダビ支社の王進偉(おう・しんい)総経理によると、同プロジェクトは世界最先端の太陽光発電技術と設備を導入しており、発電効率は22%を超え、追尾式架台によってソーラーパネルは太陽の動きに合わせて自動的に角度を変えることができる。
UAEは世界で化石エネルギーが最も豊富な国の一つで、石油と天然ガスによる発電が主な電源となっている。ただし、化石燃料への依存は生態系の持続可能な発展に不利であり、地元の人々の生活も国際エネルギー価格の変動に左右されやすくなっている。
同国は広大な砂漠を有し、1年を通して十分な日照があり、太陽エネルギー資源が豊富なことから、太陽光発電が理想的なクリーンエネルギーへの代替手段となっている。
同国の再生可能エネルギー大手マスダールのアブドルアジズ・アロバイドゥリ最高執行責任者(COO)はアルダフラ太陽光発電所プロジェクトについて、世界のカーボンニュートラル目標達成における中国企業の積極的な貢献の実例だとの認識を示した。
新華網日本語版 2024年6月2日