楽器を学び、ジャズダンスを踊り、コーヒーを淹れ、無形文化遺産の花かんざしを作る。「夜学ブーム」が現在中国各地で生じ、さまざまな社会人夜間学校が雨後の筍のように増えている。豊富で多様な授業内容と低めの料金により、自分を楽しませ充電しようとする若者に迎合。現在の「日中は仕事、夜は習い事」という生活のニューウェーブを作った。
インターネットプラットフォームのデータによると、2023年下半期以降のプラットフォーム上の「夜学」の検索件数が前年同期比で980%増加している。この注目度を受け、中国各地でさまざまな夜間学校が開かれている。
黄喆祺さんは江西省南昌市の楽器教育訓練機関の職員だ。その会社は2023年末に楽器類のカリキュラムを中心とする夜間学校を開き、かつ受講生からの問い合わせに基づき携帯電話による撮影、茶道、裁縫などの授業を増やした。「夜間学校の申請者数は現在3000人以上で、通常のコースの2倍以上だ」
黄さんによると、通常のコースは申込み費用が数千元にのぼることがあるが、夜間コースはそのハードルを引き下げ、試してみようという気にさせる。また夜間学校の受講生はそれほど功利的ではなく、「多くが趣味や興味を広げ、暮らしを充実させ、自分を楽しませようと考えている」という。
30歳の莫さん(女性)は広西チワン族自治区南寧市で翻訳教室を開き、現在はプログラミング言語を教える夜間学校を探している。「技能の学習は一つの面に過ぎず、より重要なのは夜間学校のコミュニケーション機能だ。受講生は同じことに興味を持つ場合が多く、意気投合する仲間を見つけやすい」
技能型から興味型へ、伝統的な声楽から無形文化遺産の技芸へと、夜学のカリキュラムが絶えず豊富化している。「ナイトタイムエコノミー」をけん引し、また中国の若者の余暇時間を豊富にしている。
記者の調べによると、無形文化遺産関連の授業が現在の夜学で人気となっている。国家級無形文化遺産の代表性プログラムであるヤオ族服飾の賀州市級伝承者である李素芳さんは、「ヤオ族刺繍夜学体験授業」を開設した。「定時に開き、毎回満席になる」
陳科文さん(男性)は「ヤオ族刺繍夜学体験授業」の受講生だ。「学習により匂い袋の作り方を学んだ。手作業の能力を養い、審美観も高まった。普通に見える刺繍の模様には、ある民族の生命の暗号が含まれている。それが私の手によって誕生すると達成感があり、誇らしい」
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年7月16日