パリの街頭では11日、五輪の雰囲気が濃かった。道端のテレビは「見せ場」となる、バスケットボール女子(フランス対米国)の試合を放送していた。多くの歩行者が足を止めて視聴し、主催国を応援した。米国は67対66で辛くもフランスに勝利した。
仏TF1は、「フランス代表はホームで歴史を記録した。パリ五輪の金メダル数は16枚で、メダル数は64枚に大幅に増加した。これはフランスのスポーツの歴史における重要な時だ」と伝えた。
英誌「エコノミスト」はこのほど、「五輪はフランス人を再び喜ばせた。フランスは政治が乱れているが、五輪は称賛に値する。フランスは伝統的に、人をうんざりさせる批判を一つのお国柄としている。今や主催国はその憂うつなふりをやめようとしているようだ」と伝えた。
「エコノミスト」はさらに、「積極的なムードが見られるのはパリだけではない。フランス人の4分の3は、フランスで五輪を開催できてうれしいとしている。パリ市民は、この都市が変わったと述べた。地下鉄の標識が改善され、警察が観光客に役立つ提案し、パリは冷たいという印象を変えた」と続けた。ラバダン元パリ副市長は現地メディアに対して、「疑問視し首都から逃げていたパリ市民の多くが、五輪に参加しようと続々と戻ってきた」と述べた。
フランスの一部の政界関係者は、五輪から利益を得たとされている。仏ラジオ局「Europe 1」は、「パリのイダルゴ市長は自動車の規制を堅持しグリーンモビリティを奨励し、観光客と住民に良好な体験をもたらした。パリ所在地のイル=ド=フランス地域圏のペクレス議長はスムーズな交通を保証した。ダルマナン仏内務大臣は安全保障面の約束を守った」と列挙した。
英紙「デイリー・テレグラフ」は、「五輪はマクロン氏の大統領の任期を救うかもしれない。パリ五輪の閉会に伴い、マクロン氏は得意げに笑うことができる。マクロン氏は当初から事の大小を問わず、この大規模で未曾有の全市運動会を管理している」と伝えた。
11日付仏紙「ル・モンド」は、「パリ五輪は現在の分断された世界におけるスポーツの挿入曲で、ロシアとウクライナの衝突やパレスチナとイスラエルの衝突などの多くの緊張情勢を回避できない」と伝えた。しかし米月刊誌「ファスト・カンパニー」は電子版で、「五輪は特に、世界がかつてないほど分裂したこの時代において心の慰めになる。各競技の頂点に立つ人々は文明的な方法により夢を追い求め、力強い情報を伝えた。過去2週間余りは偉大なるスポーツの祭典で、選手の非凡な体力とスポーツ精神を示した」と伝えた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年8月12日