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第1章 民主政治と政党
1-7問 現在、世界の多くの国は死刑を廃止したが、中国はいまなお廃止していない。その原因は何か。このような状況の下で、中国はどのように制度の整備を通じて誤って罪のない人を殺すことがないように保証するのか。

 答 死刑は人類社会の最も古い刑罰の一つであり、中国が独創したものではない。世界各国および歴史上、死刑の存廃について極めて大きな論争が続いている。現在、世界に死刑を廃止したかまたは実際に廃止した国は、世界の180余カ国の半数近くを占める90カ国あり、死刑を保留している国は95カ国ある。死刑を保留している国が依然として大多数を占めているとはいえ、死刑の適用範囲、対象などは程度は違うが、いずれも縮小したかまたは厳格に制限されている。

中国は国情から言って、いますぐ死刑を廃止する条件がまだ備わっていない。一方では、中国は社会主義初級段階にあり、発展途上国に属し、物質文明の程度がまだ高くない。他方では、中国の伝統的文化の影響を受けて、「人を殺した者は命を償う」などの観念が人々の頭に深く根を下ろしており、死刑の存在は依然として広い社会心理の基礎があり、死刑を今すぐ廃止すると、広範な人々の認同と支持を得られない。そのため、中国は現在まだ死刑を完全に廃止することができない。しかし、われわれの政策は、立法、司法などの面から死刑の実際適用と執行を厳格に制限し、死刑がごく少数の罪行が極めて重い犯罪者だけに適用するのを確保している。死刑について、中国の法律は即時執行と執行猶予2年の2種類を規定しており、死刑を判決すべき犯罪者に対し、即時執行しなければならない場合を除き、死刑を判決すると同時に執行猶予2年を言い渡すことができる。この制度は中国刑法の独創したものである。半世紀近くの刑事司法実践を経て、この制度が大多数の死刑執行猶予を判決した犯罪者を新しい人間に改造するという中国刑罰の目的に合致していることが証明された。同時に、死刑の適用を制限するという世界のすう勢にも合致し、中国の刑罰の特徴を示し、世界に好ましい影響を与えている。

このほか、誤って死刑を判決し、執行するのを防ぐため、2005年10月、中国の最高人民法院は今後の5年間に各地方高級法院の一部の死刑案件の審査・認可権をちくじ撤回するとともに、上訴した死刑第二審案件に対し一律開廷審理し、それによって誤審事件の発生を防止することを決定した。最高人民法院が死刑の再審権を撤回することは、中国政府が人の生命権に対する尊重を顕示し、死刑を減少し、死刑判決に慎重を期する中国政府の態度をも表明している。

上述のことをまとめて見れば、中国の現行の死刑制度の存在は偶然ではなく、優れた伝統的文化を参考にし、国際上の先進的な理念を吸収することを踏まえて形成されたものであり、全般的に言って、ほぼ合理的であると言える。もちろん、今後のかなり長い期間に、中国も現有の正しい制度を堅持する基礎の上で、時代の発展に基づいて死刑制度を調整するだろう。

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