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第4章 体制改革と社会
4-11問 ここ数年来、外国で中国の不法移民がつかまる消息がしばしば新聞に載っているが、人々は、中国の経済が急速に発展しているにもかかわらず、さまざまなルートを通じて外国に不法移住する問題が依然として非常に重大であることがよく分からない。その原因は何か。中国政府はどのような措置をとって不法移民の増加を阻止するのか。

 答 密入国と不法移住は、すでに当今世界が直面するグローバルな重大問題となっている。現在、中国の不法移住活動は集団化、国際化、知能化などの特徴を呈している。不法移住活動は主に次のようないくつかの形式がある。一、合法的なパスポート、ビザで出国した後、にせのパスポートとビザに取り換えて多国に密入国する。二、にせのパスポート、ビザまたはにせの資料で騙し取ったパスポート、ビザで出国する。三、観光、留学、労務などの名目で不法移住活動を行なう。不法移住の主な目的国は欧米などの先進国である。

不法移住犯罪活動は国際的な問題で、その原因はいろいろあるが、中国の不法移民が増える主な原因は中国の人口が多く、資源が少なく、人の資質が低く、就業が不十分で、投資ルートが少なく、労働生産性が低く、特に先進国と比べて経済収入がわりに少ないことにあり、次は先進国の中国に対するビザ発給量と移民割当額が少なく、政治亡命や大赦など一部のやり方も客観的に不法移民の増加を助長している。

中国の不法移住に反対する立場は明確で一貫したものである。不法移住活動を効果的に防備し、打撃を加えるため、現在、中国は刑事法律を主とし、行政法規、部門規則と組み合わせた法体系を形成し、一連の効果的な措置をとって不法移民に打撃を加え、制止している。陸地の辺境では、中国は辺境管理区制度を実行し、辺境管理区に行く人に対する管理を強化している。1999年以来、中国は旅客流量の大きい通関地と国境検査所にハイテク監視抑制設備を配備し、国境検査の技術使用量を高めた。沿海地区では、公安国境警備海上部隊を組織、拡充し、海上パトロールを強化し、沿海の船舶、船員に対し、証明書管理と入出港申告制度を実行し、海上の不法移住活動を防備するとともに、しばしば不法移住活動取締り特別行動を行なって、多くの不法移住事件を取り調べ、不法移住活動の組織者と運送者を逮捕した。このほか、中国は出入国証明書の検査、審査、認可の手続きを厳格にし、個人普通パスポートだけでも11回も改版し、新しい個人普通パスポートは国際上の先進的な偽造防止技術を採用するとともに、地区(市)クラス以上の出入国管理部門と通関地検査部門のパスポート情報のコンピューターネットワーク化を実現した。

不法移住取締りの面で、中国はずっと国際協力と地区協力に積極的に参与しており、これまで40余カ国と密入国禁止の協力と交流の強化、密入国者送還協定の締結などを含むすこぶる成果のある二国間協力を展開している。2001年6月、中国は国際移民機構のオブザーバーとなり、国際移民機構との特別シンポジウム開催に成功した。同年8月、中国公安部出入国管理局はオランダ、ドイツ、イタリア、イギリスなど諸国の移民管理部門と「了解覚書」に調印し、専門家を派遣して中国大陸部から来た不法移住容疑者の身分検査を援助した。調査を経て中国大陸部から出国したことが確認された中国公民に対し、中国は関係諸国と協力して不法移民を妥当に処理することを望んでいる。

中国は、関係諸国が不法移民を処理する問題に対し一視同仁でなければならず、二重基準をとり、選択的に送還すべきではないと考える。中国は政治亡命の名義で不法移民問題を政治化させることに断固として反対する。というのは、これは不法移民問題の解決と双方人員の正常な往来に不利だからである。

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