答 第59回国連総会法律委員会議に出席した中国代表団はこの宣言に反対票を投じた。その一つの非常に重要な原因は宣言の表現があいまいではっきりしていないと考えたことにあり、そのうち宣言の言及した「各国が人間の尊厳に背くいかなる形式のクローン人間をも禁止するよう要求している」ことは治療的クローン研究をも含んでいると誤解される可能性がある。これは中国側が受け入れることのできないことである。今回の投票では、反対票35票、棄権票43票が投じられたこともこの点を物語っている。 1960年代から1970年代にかけて、中国はすでにクローン技術の研究を始め、90年代に中国の科学者は哺乳動物の胚胎細胞でウサギ、ヒツジ、ネズミ、ウシ、ブタのクローンに成功し、クローン技術は世界の先進レベルに仲間入りしている。 中国はこの宣言に反対票を投じたが、それは中国が人間のクローンを支持することを示していない。中国の科学者は、進化の角度から見れば、クローン人間は人類が有性繁殖から無性繁殖への後退であり、ごく少数の子どもをつくれない夫婦に至っては、完全に成熟した試験管ベビー技術を利用することができ、人間クをローンする必要がないと考えている。これに対し、中国政府の態度もはっきりしている。つまりいかなる情況、いかなる場合、いかなる条件の下でも、生殖的クローン人間の試験に賛成せず、それを許さず、支持せず、受け入れないことである。 中国は断固として人間のクローンに反対すると同時に、クローン技術研究の目的は人類に奉仕することであり、人類はクローン技術を掘り下げて研究し、細胞、組織、器官のクローンによる治療を次第に実現すべきであると見ている。というのは、現在世界に老人性痴呆、パーキンソン病、ガン、脊柱損傷、糖尿病を患っている人が1億ないし2億人おり、さまざまな患者は幹細胞の研究成果を利用して治療を受ける必要があり、そのため、クローン技術は規範化した管理の下で、人間のクローンを除くすべての分野で運用することができるからである。 世界先進レベルと同時に発展する中国のクローン技術は今後次の五つの方面で集中的に発展する。一はクローンの基礎理論研究の面で、どうしてクローン動物の妊娠率と生存率が低く、流産率と死亡率が高いかという一連の問題をはっきりさせる。二はクローン技術を利用して良種の家畜を複製するとともにその産業化実現をちくじ推し進め、直接市場と経済発展に奉仕する。三は条件が熟した時、氷河の下に埋まって絶滅した動物の体細胞を取り出し、クローン技術を利用して絶滅した動物の種を地球で再現させて、絶滅に瀕している動物を救い、その効果的保護に新しい構想と方法を提供する。四は治療目的のクローンを行ない、人類がさまざまな難病をよりよく解決するように推し進め、人類を健康にし、幸福をもたらす。五は器官移植もクローン技術研究の重要な一環である。 |