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第9章 人民生活
9-3問 老齢人口がたえず増加するにつれて、中国は「裕福になる前に老齢化社会に入る」という難問に直面せざるを得なくなるが、中国に養老保障面でどのような問題が存在しているか。どのような措置をとって老齢化問題に対処するつもりか。

 答 中国が直面している養老保障の情勢が楽観を許さないのは確かである。現在、60歳以上の老人は13億人口の11%を占め、老齢化社会に入り始めた。しかし、中国は経済がまだ発達していない時期にあり、制度がまだ整備しておらず、都市部の2億6000万人の就職人口のうち、養老保険に加入しているのはわずか1億7400万人で、人口総数の15%しか占めておらず、国際労働機関が確定した20%という国際最低基準よりはるかに低いものであり、とくに人口老齢化の衝撃に直面して、中国は「裕福になる前に老齢化社会に入る」という難問に直面せざるを得なくなっている。

間もなく到来する老齢化問題に対処するため、ここ数年来、中国は絶えず養老保険制度の確立に力を入れ、第一段階の基本養老保険のカバーする範囲は国有企業と都市部の集団企業の従業員からその他の所有制企業の従業員に拡大され、養老保険加入者数は1998年の1億1200万人から2005年の1億7400万人に増え、基本養老保険の待遇を享受する定年退職者は増える一方である。第二段階では企業年金を設立して養老保険を補充する作業も無から有へとちくじ発展している。これと同時に、中国はまた雇用部門と従業員が費用を納め、政府が財政面から補助する多ルートの養老年金調達の枠組みを確立し、基本養老保険基金を順調に発展させている。

しかし、現行の養老保険制度にもいくつかの問題が存在していることをはっきり見てとっている。これらの問題は主に次のようなものがある。①カバー率の範囲が広くなく、都市部の多くの個人経営商工業者と自由就職者がまだ加入していない。②基本養老保険の個人口座がまだ完全に設立されていない。③基本養老年金の計算と支払い方法があまり合理的ではなく、加入費納入の激励・制約メカニズムが欠けている。④基本養老年金調整メカニズムがまだ健全ではなく、全体のレベルがまだ高くない。⑤統一的に按配する段階がわりに低く、多くの地区ではまだ省クラスの統一的な案配を実行しておらず、基金の調節能力がわりに弱い。⑥企業の年金の発展が遅れ、多段階の養老保障システムがまだ確立されていない。

人口老齢化のピークが訪れる前に制度と資金面の準備をきちんと整えるため、中国はいま人口老齢化に対処する政策措置の制定を検討しており、次のいくつかの方面の活動を積極的に行なう。

一、養老保険制度のカバーする範囲をいちだんと拡大する。2006年から、中国は毎年養老保険加入者を1000万人以上新規増加し、2010年の加入者数を2億2000万人を超えるように努め、都市部の非公有制経済部門の従業員と自由就職者に重点をおき、彼らをカバーする範囲内に入れ、ますます多くの中国の国民に社会保障を享有させる。

二、社会保障への財政投入を増やし、多ルートを通じて社会保障基金を調達し、個人口座をちくじ完全に設立し、「もらった金を支払う」ことから「部分的に蓄積する」パターンに転換する。同時に、基本養老年金の計算支給方法の改革を積極的、妥当に行ない、待遇レベルと義務履行が更に緊密につながるメカニズムと規範化した省クラス統一案配制度を確立する。

三、事業体の養老保険制度の改革案を検討、制定し、都市部住民の医療保障システムを改善し、出稼ぎ農民と土地を収用された農民の社会保障問題を積極的、穏当に解決し、農村の社会養老保険制度の確立を模索する。

予測によると、21世紀中期に中国の老齢者は4億人以上に増え、総人口に占める老齢者の比率は現在の11%から20%に上昇する。世界の人口の最も多い発展途上国として、人口の老齢化、就職方式の多様化と都市化が到来する時、養老保険の長期有効メカニズムを整備、構築し、より多くの人に楽しい晩年を送らせることは、中国の養老保障制度改革の目標である。

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