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第10章 農業、農村、農民
10-6問 改革・開放以来、都市に就業する農民は中国の産業労働者の重要な構成部分となっている。しかし、出稼ぎ農民の権益を侵犯することが相変わらず頻発しているが、これは主にどの方面に具現しているのか。中国はどのように出稼ぎ農民の都市での就業環境を改善し、出稼ぎ農民の合法的権益を保護するつもりか。

 答 出稼ぎ農民は中国の改革・開放と工業化、都市化の過程に現われた新しいタイプの労働力大部隊であり、彼らの戸籍は農村にあるが、農閑期に出稼ぎに行き、働いたり農作業に従事したりし、流動性が強く、一部の人は長年都市で就業し、国民経済の各業種に分布している。調査によると、2004年、全国の都市の出稼ぎ農民と郷鎮企業で就業する出稼ぎ農民は合わせて2億人を超え、そのうち都市の出稼ぎ農民は約1億2000万人に達し、製造・加工、建築、採掘、環境衛生、家政、飲食などの業種で従業員の50%以上を占め、産業労働者の重要な構成部分となっている。過去の20年間余に出稼ぎ農民がなかったなら、中国の工業化、都市化がこれほど速く進むことがなく、沿海地区の新興産業と開放型経済が急速に発展するのは不可能だと言える。

ここ数年来、中国は農民の都市での就業環境改善、出稼ぎ農民の権益保護などの面で若干の措置をとって、ある程度の効果をあげたが、出稼ぎ農民が直面している問題は依然として非常に際立ったものであり、主に①給料が安く、給料の遅配現象が深刻である、②労働時間が長く、安全条件が劣っている、③社会保障がなく、職業病と労働災害がよく発生する、④育成・訓練と就業、子女の就学、生活・居住などの面でも困難がたくさんあり、経済、政治、文化の権益が効果的に保障されていないなどがある。これらの問題は大中都市に存在しているだけでなく、一部の小都市ひいては郷鎮企業でも非常に際立っている。

出稼ぎ農民の合法的権益を保障し、彼らの就業環境を改善し、農村の余剰労働力の合理的、秩序だった移転を導くため、2006年3月、中国政府は「出稼ぎ農民問題解決に関する若干の意見」を公表し、出稼ぎ農民の移転と都市への就業に対するさまざまな差別的規定と不合理な制限をいちだんと整理し、取り消すことを決定した。その主な内容は次の通り。

一、出稼ぎ農民の給料支給モニタリングと給料保証金制度を確立し、雇用部門の給料支給行為を規範化させ、出稼ぎ農民の給料が安い問題と遅配問題を解決する。

二、都市と農村が統一し、平等に競争する労働力市場をつくり、市場経済条件下の農村の余剰労働力の移転就業のメカニズムをちくじ構築し、都市と農村の働く者に平等な就業チャンスとサービスを提供する。

三、公共就業サービス機構が都市で求職を登録した農村の働く者に無料の職業紹介サービスと一次的な育成・訓練を提供する。

四、出稼ぎ農民の社会保障問題を積極的、妥当に解決し、労働災害保険と重病医療保障問題を優先的に解決し、養老保障問題をちくじ解決する。

五、出稼ぎ農民を都市の公共サービスシステムに組み入れ、長年都市で就業、居住する出稼ぎ農民の戸籍問題をちくじ条件付きで解決する。

六、出稼ぎ農民が法によって享有する民主的政治権利と企業の民主的管理に参与する権利を保障し、出稼ぎ農民の土地請負権益を保護し、出稼ぎ農民に対する法律サービスと援助を十分に提供する。

推算によると、現在、中国に農業の余剰労働力が1億2000万ないし1億3000万人おり、中国の工業化、都市化が急速に発展する段階で、これらの余剰労働力は出稼ぎ農民の形で移転することがある。毎年600万ないし800万人増えるとして計算すると、それを完全に消化するのに少なくとも20余年間かかる。そのため、多くの出稼ぎ農民が都市と農村の間を流れ歩いて就業する現象は中国では相変わらず長期にわたって存在するであろう。

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