気持ちを高ぶらせてくれる美酒であれ、心を落ち着けてくれるスープであれ、いずれも春節にはなくてはならない一種の光景だろう。
◆蝋八粥 「八宝粥」とも言う。リュウガンやオオムギ、リョクトウ、アズキ、ラッカセイなど8種類の穀物をぐずぐずと煮込んでつくったおかゆ。旧暦十二月の八日に食べるのですが、その歴史はすでに千年を超えている。
◆五果湯 広東省潮州や汕頭(スワトウ)あたりで年越しの際に飲む縁起もののスープ。正月の一日、子どもや孫たちが朝早く新年の挨拶したときに、年配者はこのスープを一杯飲ませて、一家全員の息災を祈るのである。
◆元宝湯 北方の大半の地区では正月二日の早朝、ワンタンを食べる慣わしがある。その形が元宝(馬蹄銀)に似ているので、「元宝湯(スープ)」と呼ばれるようになったそうだ。財産の源がスープのごとくぐんぐん押し寄せてくる、との意味もあるとか。
◆鶏湯 湖北省のある地方では、新年最初の料理としてチキンスープを飲る。「心安らかになって気持ちが落ち着く」との意味がある。
◆元宝茶 緑茶やホワイトオリーブなどを混ぜ合わせた江南地方で人気の伝統的、特色あふれるお茶。「家族円満、資産蓄積」。これを飲んで麗しい生活の憧れる気持ちを伝えては。
◆桃湯 クルミの葉と枝、茎をじっくり煮て仕上げたスープ。邪気を払う効果がある。
◆屠蘇酒 一種の薬用酒。古代、春節に家族全員がこのお酒を飲むと、嫌なことはすっかりなくなり、まったく新しい一年を迎えることができると言われていた。
◆分歳酒 大晦日の夜、家族が一緒になって食事をしたり、お酒を飲んだり、また親しい友人を誘って心置きなく食事、お酒をともにしたり……浙江省温州の人はこのお酒を「分歳酒」と呼んでいる。なぜ? 大晦日は、古い年と新しい年が交代する日、人の歳も変わる日、だからそうだ。
◆份子酒 黄河が渤海に注ぐ河口一帯でよく見られる光景。隣人や友人を招いて食事をするときにこのお酒が出されると、ぐっと飲みほす。儀礼的なケースもあるだろうが、人びとの意思疎通のため飲まれているようだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年1月11日