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米国の「中国観」に静かな変化

米「タイムズ」誌はこのほど、カバーストーリーの形で中国の台頭を全方位的に評価し、「新しい王朝はもう到来した」「『中国の世紀』は疑いようのない事実になる」と指摘した。(文:袁鵬・中国現代国際関係研究院米国所副所長)

記事は、アフリカにおける投資活動から中南米における外交活動、エネルギー需要から周辺国への影響、国内問題から外交成果、民主人権から領土問題まで、近年の中国の急成長の様子を余すところなく全面的に分析。最後に「中国の台頭は、ドイツや日本の台頭が世界にもたらしたような恐怖に、必然的につながるものではない。米中戦争や手に負えない経済競争の必要はない」「今世紀米国は没落へと向かい、中国は台頭するだろう。このケーキはとっくに焼き上がっている」と指摘する。

中国の台頭に対する米国の主要メディアによるこれまでの報道の中では、全面的で、踏み込んだ、冷静な分析をしており、米国社会の中国観の変化を反映するとともに、米国の現在の対中政策の基調とも一致している。

いわゆる「中国の世紀」の議論は、とうに真新しいことではない。西洋では1980年代にも、21世紀は「アジアの世紀」「中国の世紀」といった、似た予言があった。しかし当時の議論は一種の戦略的予想、または西洋人によくある一種の戦略的敏感性の面が強かった。

1990年代の初め頃から、米国はいわゆる「中国崩壊論」「中国統計水増し論」などを相次いで持ち出し、中国が健全な発展を長期間維持できるかについて、懐疑的な姿勢を取ってきた。また、中国が1つ1つの難関を突破し、1つ1つの本物のデータによって、中国の持続的な急成長が「将来の事」から「現在進行中」に変わったことを世界に示している時、米国人はまたも「中国の脅威」を声高に叫び、いわゆる中国「軍事脅威論」「環境脅威論」「エネルギー脅威論」などを相次いででっち上げ、平和発展という中国の現実を正視することができなかった。

注目に値するのは、04年末以降、米国では中国の台頭に注目する新たなブームが巻き起こっていることだ。その顕著な特徴は、感情的な論調が徐々に減少するとともに、客観的で実際的な分析報道が増加していることだ。「中国脅威論」の声は低まり、「中国責任論」の声が高まっている。これは1つの進歩だ。

米「ニューズウィーク」誌の05年初めの、中国の発展の現実に関する全景的な記事は、風向計だったと見ることができる。今回「タイムズ」誌が中国の持続的発展をこのように大きく取り上げたことは、米国内の「中国関心熱」の継続であり、段階的な総括でもある。

おおまかに言ってこれは、数種類の複雑な感情を含む。第1に、感嘆。米国の予想を超えた中国の急激な発展への感嘆だ。第2に、仕方がないという感情。米国が中東の難局に深くはまり込んでいる時、中国は実力の強大化に専念してきた。中国の急成長に対処するために必要なてこが米国に不足しているのも仕方がない。第3に、憂慮。中国の発展と強大化が、米国にとっていくつかの試練になるとの懸念だ。第4に、注視。近年の中国の内政・外交の新変化を注視する。第5に、調整と適応。新しい視野で中国の世紀の到来に向き合うために、心の準備をする。これらの感情は実はすでに、「責任ある利害関係者(responsible stakeholder)」と「両掛け(hedge)」を核心とする、米国の新たな対中戦略思想の中で形となっている。米国の中国観に静かな変化が起きていることを示すものだ。

単純化、感情化、さらには妖魔化といった以前の対中論調と比べ、米国の政界・学界・メディアの対中認識は、徐々に客観的で理性的な、踏み込んだものになっている。健全で安定した中・米関係の発展にとって、これは不可欠な重要条件だ。しかし、「タイムズ」誌の記事の行間から明らかなように、米国は依然として、中国という新興大国の扱いにおいて、根深い「米国中心論」、イデオロギー的色彩の濃い「民主平和論」、大国盛衰の「歴史宿命論」から脱却し難し状況にある。それに応じ、米国は中国の持続的発展の現実への対応において、建設的協力によるウィンウィンの思考ではなく、西側世界が共同で中国の発展の「管理」を図るという、伝統的な覇権モデルに従っている。米国人に中国を真に理解させるには、なお多くの時間が必要なようだ。

「人民網日本語版」2007年1月23日

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