中年女性には十分な消費能力と服飾品に対する大きな潜在的需要がある。しかし、服飾学院に中年女性向け婦人服の専門コースはないし、デザイナーも中年女性向けの服を積極的に作ろうとはしない。ファッション雑誌は若い女性を対象にしたものばかりだ。北京市の人民大会堂でこのほど開かれた中年女性服装文化フォーラムでは、中年女性の服装文化の研究を重視し、中年女性の衣服に対する需要に対してより多くの選択肢を用意すべきだとの意見が提起された。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
フォーラムで対象にされた中年女性とは、35歳から60歳までの花盛りの女性を指す。統計によると、中国の都市にすむ中年女性は約1億人に上る。中国家庭文化研究会などが都市在住の中年女性を対象に行った生活指数調査研究では、中年女性のうち55.5%で衣服の購入が支出の大きな割合を占め、66%がブランド服をとても好むという結果が出ている。しかし、中年女性が満足できる衣服を見つけるには「砂の中に金を探すような」辛抱強さが必要だという。チャイナドレスなど伝統衣装を除けば、国内ブランドで中年女性向けの衣料品は少ない。中年女性向けの特色のある婦人服などは皆無に等しい現状だ。
「中国の中年女性は先進国とくらべた場合、生活に対する意識、生活のクオリティー、着飾っておしゃれをする習慣、どれをとっても遅れた状態にあります」。中年女性を「花盛りの女性」と捉える見方を最初に提唱した深セン市の贏家服飾有限公司の陳霊梅・董事長は言う。先進国の中年女性は着飾ることに長けていて、衣服の色やスタイルの選択も大胆だ。一方、中国の中年女性は社会のなかでも重視されず、多くの中年女性が着飾るのを苦手とするばかりでなく、自分でも年齢の高さを「自覚」して、自分でもう着飾る必要はないと決め付けてしまっている場合もある。陳さんは「日々積極的に向上していこう」という意識改革によって、人々の中年女性に対する見方を変え、中年女性の自分を肯定し生活を愛する意識を呼び覚ますべきだと考えている。
全国婦人聯合会宣伝部の張小媛・副部長は、中年女性への関心を高め、優雅で調和の取れた服飾文化を提唱することは、社会文化発展を推進するためのなくてはならない部分だと述べた。
陳さんら服飾業界の専門家は、都市在住の中年女性の消費能力と潜在的需要はまだ十分に引き出されていないと考えている。服飾業界は中年女性に合った品位と風格のある衣服を提供していく責任と義務がある。
「人民網日本語版」2007年11月14日 |