福建省福州市でこのほど開かれた「女性と子供の権利を守る合同会議」によると、同市で起こる家庭内暴力(DV)のケースは多様化しており、暴力によってDVに対抗し悲惨な事件につながるケースも少なくないという。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
福州市婦女聯合会(市婦聯)が昨年DVで受けた相談は、全相談のうち21.9%にのぼる703件だった。減少傾向にあったDV相談件数はここ数年で再び増加に転じてきている。DVの形も多様化し、殴打のような従来式の物理的な暴力だけでなく、精神的な暴力も目立つようになった。精神的な暴力としては、夫が妻を性的に無視するといった行為も、女性の心身に大きな傷を与える問題として認知されるようになった。
DVは程度の面でも深刻化しているという。市婦聯が扱ったDV相談のうち、95.2%の被害者が実際に傷を負っており、障害が残るような深刻なケースや、刑事事件といえるような重大なケースもみられた。DVの深刻化は、被害女性が暴力に対し暴力で立ち向かう事件の多発化を呼んでいる。重罪で服役中の女性の資料に対する市婦聯の調査では、重大傷害や殺人で服役中の女性囚人のうち80%が、夫の暴力に対抗するために事件を起こしていたことがわかった。
福建省婦女聯合会は、家庭内暴力を解消するためには、▽女性や子供が気軽に相談できるメカニズム▽女性や子供が関わる問題を調停するメカニズム▽女性と子供の権利を守るメカニズム――の構築が必要だという。また立法機関は反DV法の制定を急ぎ、DV被害者に対して有力な法的保護を提供するべきだとしている。
「人民網日本語版」2008年1月15日
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