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四川大地震 犠牲者の白紙の遺書 |
発信時間: 2008-05-21 | チャイナネット |
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文字が書かれているのかも分からない、この一枚の白い紙を見て、誰もが胸がつぶれる思いがすることであろう。光にかざして角度を変え、よく見ると、かすかに筆跡のようなものが見て取れる。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。 これはペンで書かれた筆跡ではなく、細い木の棒のようなもので描かれたものだ。それは、家族に宛てた遺言のようなものであった。 四川大地震において被害が著しかった北川県。北川中学の教師が、この白い紙を我々に見せてくれた。居合わせた人々から、なぜペンで書かれていないのかなどの疑問はあがらなかった。 これを書かれた時の情景は想像に難くない。あの恐ろしい地震の様子が脳裏によみがえってくる。これを書いた犠牲者は、倒壊した家屋の狭い空間の中で、重傷を負っていたためか、死を覚悟してか、家族に何か宛てようと、身近にあった木の棒で、このような手紙をしたためたのだ。 紙の上に書かれていた文字をたどると、「姜棟懐、高校1年生1組。父さん、母さん、ごめんなさい。2人ともどうか幸せに」と書かれている。 我々の問いかけに対し、その教師はうなずき、「その名の男の子は実在する。この手紙は遺体安置所から見つかったものだ」と述べた。我々は何も言えなかった。 男性記者らは、目をそむけ、手の甲で鼻をすすりあげる振りをした。女性記者らは、口を手で押さえその場を去った。 その教師は、この手紙を大切そうに懐にしまった。彼はこの手紙を、姜棟懐の家族に手渡すつもりだ。 「人民網日本語版」2008年5月21日 |
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