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百万長者、小学校に通う 息子と一緒に通学
発信時間: 2008-07-04 | チャイナネット

26文字のアルファベットも知らず、算数の簡単な計算もわからない――。重慶市銅梁県出身の百万長者・唐新才さん(39)は生活の中でしばしば困難を感じていた。一番の悩みは字があまり読めないこと。一念発起した唐さんは小学校での学習を始め、6月には小学校の卒業試験を通った。小学校の卒業証書を受け取ったら続けて中学校に通うつもりだ。「重慶商報」が伝えた。

▽息子と一緒に毎朝通学

唐さんは昨年9月、銅梁県土橋鎮小学校の6学年に編入し、同小学校での学習を始めた。他の生徒と同じく、毎日時間どおりに通学し、教室で勉強する。唐さんの上の息子は大先輩の中学生。下の息子は同じ学校の下級生になった。毎朝早く起き、息子と一緒に朝食を取り、一緒に学校へ向かう生活を続けた。6年生の課程はこれまでの学習の総まとめなので、1~6年生の課程を通して学ぶことができ、小学6年生までの知識を短期間で身につけることができた。

▽小学校を2年で退学

唐さんはもともと、土橋鎮の農家の生まれ。家が貧しかった唐さんは30年以上前、小学2年で学校をやめなければならなかった。大人になった唐さんは夫と共に、雲南で不動産会社を10年余り経営し、100万元以上の資産を持つまでになった。だが知識が足りないことはいつも悩みの種に。商売をする時にも苦労をしたし、学校に通ったことのある友達と一緒にいると自信がなくなる。アルファベットがわからないためコンピューターも使えない。息子が学校に通う故郷・銅梁県に帰った時、「勉強しなさい」とは言ってみたものの、下の息子の勉強さえみることのできない自分が情けなかった。基本的な知識の不足は商売にも差し障る。唐さんは息子と共に小学校で勉強することを決めた。

写真:銅梁県土橋小学校で3日、クラス委員に勉強をみてもらう唐さん

▽次は中学校とコンピューター

唐さんのクラス担任の梁敏・教諭によると、唐さんは成績の好いクラスメートに勉強を教えてもらうほか、放課後もこれまでの課程を一生懸命学習していた。クラスの雰囲気は唐さんのおかげでぐっと好くなった。成績はとびぬけていいわけではないが小学校で習う字はだいたい使えるようになった。基本的な計算もできるようになった。唐さんが嬉しかったのは、最初は自分を「おばさん」と遠慮がちに呼んでいたクラスメートが、じきに名前で直接読んでくれるようになったことだという。

土橋小学校の張彬校長は、「小学校で勉強したいと訪ねてきた時は冗談かと思った」と語った。始めは断っていた張校長も、唐さんの再三の懇願に折れ、特別に小学校への編入を許可した。学費はほかの小学生と同じ教科書代の15元のみ。学校では唐さんに小学校卒業証書も発行するという。

唐さんは3日、「勉強のおかげで、アルファベットがわからないことを苦に思うこともなくなった。自動車免許の試験も受けに行くことができる。免許を取ったら、どこに行っても、交通標識が読めないと心配しなくてすむ」と喜びを語った。小学校卒業証書の取得後は中学校の課程とコンピューターを続けて学んでいくつもりだ。

「人民網日本語版」2008年7月4日

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