11月は世界的な「肺がん啓発強化月間」だ。天津市肺ガン診療センター主任で、天津市腫瘍医院肺腫瘍科の王長利主任は、ここ数年で中国の肺ガン患者の数は10~15年前に比べて倍増したという。毎年60万人が肺ガンで死亡しており、2025年にはこの数字が100万人に膨らむとされている。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
王主任によると、肺ガンは主にタバコ、環境汚染、職業的な問題、肺の慢性病、遺伝傾向などが原因で発病するとされる。タバコが肺ガンのリスクを高めることは今では常識だが、約90%の肺ガンがタバコによるものだという。タバコを吸わない女性でも受動喫煙により肺ガンにかかるリスクが30%高まる。タバコを早くから吸い始め、喫煙年数が長く、喫煙量が多いほど、肺がんにかかるリスクはより高くなる。
また、家の内装や料理、自動車の排気ガスといった生活上の大気汚染にも気を付けなければならない。建築材料は室内の空気の潜在的な汚染源で、室内のラドンの発生源であり、特に放射性物質を含む天然石材はラドンを放射しやすい。室内内装の空気汚染源であるラドンは、肺ガンのリスクを高めるとされている。中国で毎年ラドンが原因で肺ガンになった患者は5万人余りに達し、ラドンによる人体への危害は、人間が一生で受ける放射線の55%にもなる。天然ガスや石炭を燃やした後にもラドンが発生する。ラドンには揮発性はなく、冬場に窓を閉め切って換気をしないと、室内のラドン濃度が高くなる。世界保健機関(WHO)は、ラドンを環境発癌性物質19種類の一つに指定している。
専門家は、科学的な肺ガンの予防対策として、早めに禁煙し、受動喫煙を拒み、室内外の空気汚染を減らし、料理の際には換気扇をつけ、家の内装時には換気をよくし、冬場に内装した後すぐに入居しないよう注意を促している。
「人民網日本語版」2008年11月7日 |