「5号楼某号室に臨安産のクルミ2袋あり。黄岩産みかんとの交換を希望しています。携帯番号は158…」。浙江財経学院東方学院の宿舎の下には最近、このような張り紙がたくさん見られる。交換が成立すれば、お金を使わなくても、欲しいものが手に入る。
張り紙の交換希望者に電話をかけて聞いてみると、彼らのほとんどが新入生だということがわかった。新入生は実家から特産を持たされて来る。臨安出身の学生はクルミ、台州出身の学生はみかん、舟山出身の学生は海産物。違うものが食べたくなったら、他の学生と特産の交換をする。
東方学院国際貿易専攻の新入生である劉健さんも、交換希望の張り紙を出したことがある。「クルミとスイミツトウを取り替えました」と劉さん。だがクルミ1袋はいったい桃いくつに相当するのだろうか。「そんなに気にしていないんです。みんな同じ大学の仲間だし、細かいことは気にしません。食べたい時にはクルミ1袋にモモ1個でもいいですよ」。劉さんは得意げに、「オクスフォード辞典と魯迅全集を交換したこともある」と語る。
これらの張り紙の中には、食べ物の交換を希望するもの以外に、能力の交換を希望するものもある。東方学院英語専攻の新入生の馬蘭さんは、日本語専攻の姜詩夢さんと能力交換のペアを組んだ。ふたりで英語と日本語を教え合う。さらに馬さんは得意の撮影を、姜さんはバスケットボールを互いに教えているという。
物々交換の方式を誰が始めたのかは、誰も定かでないようだ。東方学院の講師は、「学生が本当に興味を持っているなら、学生間の相互交換の場を学校側がネット上に開設してもいいのではないか」と語っている。
「人民網日本語版」2008年11月7日 |