上海市浦東新区華夏東路の860世帯が居住するアパートで4カ月近く故障していたエレベータが修理され、住民はようやく階段を上り下りする日々から開放された。あまり知られてはないが、これはこのアパートに住む凌穎華さんが市長に携帯電話でメッセージを送った結果なのだ。
凌さんは10月28日、上海政府のポータルサイトから携帯電話で上海市の韓正市長にメッセージを送った。「尊敬する市長へ:はじめまして。わたしの住むアパートのエレベータが7月3日に故障しましたが、いまだに修理されていません。住民は毎日階段を上り下りするしかなく、非常に骨が折れます。メディアで何度も取り上げましたが、それでもまだ解決していません。どうか一刻も早く修理してください」。
このメッセージは市長の投書係に伝えられ、すぐに凌さんの住むアパートを管轄する浦東新区建設交通委員会に伝達された。11月27日に凌さんは「エレベータはほぼ修理されました。今は試運転の段階ですが、技術品質監督部門の検査を通過すれば正式に使用できるようになります」という返事を受け取った。
凌さんの「携帯投書」は上海政府が開設したWAPサイト(携帯端末向けサイト)を通じて送られた。市のウェブサイトでは早くから市長のメールアドレスを載せていたが、携帯電話の利用者との交流を広げるため、今年春にWAPサイトを開設。今ではいつでもどこでも携帯電話を通じて政府のポータルサイトで情報を確認できる。毎日約60件の情報が更新されており、今年11月までにこのページの閲覧数は2万4千件にのぼった。
WAPサイトの開設から数カ月で215通のメッセージがあり、市長宛てのものは137通だった。メッセージの内容は太陽エネルギー事業の建設からエレベータの修理や親類探しに至るまで幅広い。事の大小を問わず、投書部門が一つ一つに必ず返信を出すようになっている。
「人民網日本語版」2008年12月11日 |