ホーム>>社会>>教育
小学高学年での性教育、保護者は賛否両論
発信時間: 2008-12-29 | チャイナネット

教育部がこのほど公布した「小中学校保健教育指導綱要」に議論が沸騰している。特に焦点となっているのが「小学5、6年で性教育を始める」との規定だ。専門家は、性教育を細かく規定し、「性」そのものではなく「教育」を重視する新綱要の立脚点は、より理に適ったものだと指摘する。「羊城晩報」が伝えた。

「性教育のカリキュラムの内容にみな注目し続けているが、教える方法もとても重要。青少年の生理的な発育の各段階に合わせ異なるカリキュラムを教える新綱要の方法は、とても理に適っている」と、広州市天河区駿景小学校の担当者は指摘する。

「新綱要は性教育を細かく規定しており、以前のように一律的で手のつけがたいものとは違う」。広州市越秀区の小学校校長は、以前の性教育には学校が参考にできる細則がなかったと指摘する。以前同校は小学2年生を対象に性教育を試み、批判を浴びた。「それからは性教育は一切持ち出さなかった。どこから手をつければ良いかわからなかった」。

「綱要」は保護者の間に議論を呼んでいる。「うちの息子は思春期で、難しい心の変化の最中にある。性の問題については、親としてもどう切り出せばいいのかわからない」。新綱要の公布がタイムリーだと考える保護者がいる一方、5、6年生に性教育は早すぎると考える保護者もいる。「以前、中学生の息子に性行為で妊娠してしまう可能性について話した時、『避妊さえすれば問題ないよ』と言われ、言葉に詰まってしまった」。中学生の息子を持つ母親の孫さんは、今の子どもに欠けているのは生理的な知識ではなく、価値観の指導だと指摘する。性教育が避妊教育になってしまっているのだ。別の父親は、早すぎる性知識は子どもたちの好奇心をかきたて、試してみたいと思わせてしまうのではないかと心配する。

これについて著名な教育専門家の孫雲暁氏は、性教育の成功には、保護者の言動も学校での教育と同様に重要だと指摘する。「性教育はまず態度であり、性知識の教育ではない。子どもが性の誘惑に直面した時、両親の態度が良ければ危険を無事に乗り越えることができるが、そうでなければ困難が増すおそれがある。性教育の核心は人格教育。子どもの性の問題に対しては、まず理解、尊重、指導、援助が必要だ。学校での性教育は生理的な知識が中心であることが多いが、家庭は情操教育と人格教育を行う場。双方が共に努力する必要がある」。

「人民網日本語版」2008年12月29日

  関連記事
  同コラムの最新記事

· 金融危機は北京大学の運営経費にも影響

· 「中日韓青少年教育観光フォーラム」韓国で開催

· 第11回中国留学経験者広州科学技術交流会が開幕

· 最新大学ランキング、清華大学が1位

· 「両院」院士の8割、留学経験あり