「2009年世界エイズデー」のテーマは、「普遍的アクセスと人権」だ。衛生部の陳竺部長は24日に上海で、同性間の性的接触によるエイズ感染が全体の32%を占めている事実を明らかにした。雲南省大理市衛生局が出資し、エイズ予防啓発ボランティア10数人が経営する同性愛者向けゲイバーが間もなくオープンする。衛生局とボランティア達は、バーという集まりの場を通して、さらに多くの潜在的なエイズ患者に対する「同伴教育(仲間同士による教育)」を行う計画だ。
大理市が男性同性愛者を対象としたエイズ予防治療事業をスタートさせたのは2003年だった。「大理市エイズ健康促進会」を創設した張建波氏は、当時を振り返り、スタート時の最大の難題は、「仲間」を探すことだったと語る。張氏が1年間かけて探し回っても、「仲間」の影を見つけ出すことはできなかった。ある偶然の機会から、一人の「仲間かもしれない」と思われる学生時代の友人を事務室に呼び出した。事務室のドアを閉め切り、「僕には分かっている」と旧友を問い詰めた。そして、自分には何ら悪意もなく、ただ、同性愛者に対するエイズ予防治療の仕事をしたいだけだと説明した。最初は警戒して頑として認めようとしなかった旧友だったが、ついに張氏の熱意と目的を理解し、協力することに同意した。このようにして突破口が開けると、仲間が次々と浮上してきた。
その後数年間で、「大理市エイズ健康促進会」は男性同性愛者約1800人の基本的な情況を把握し、核となる10数人のボランティアスタッフチームが形成され、事務所を開設し、「同伴教育」と呼ばれる定期活動を繰り広げた。同活動では、ゲームやトレーニングなどの方法で参加者を誘致し、農村出身の多くの男性同性愛者に、エイズ予防に関する知識に初めて触れる機会を提供した。
「人民網日本語版」2009年11月30日 |