北京や上海の中産階級家庭は「偽幸福」

タグ: 中産家庭幸福白書,幸福指数

発信時間: 2010-03-17 16:25:19 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

中国で最近発表された『中産家庭幸福白書』によると、幸福指数が高かったのは江蘇省、四川省、福建省、重慶市の4つの地域に住む人たちで、調査対象者の半数近くが家庭生活に満足していると答えた。しかし経済が発達している深セン市や北京市、上海市、浙江省に住む人たちの幸福指数は最低だった。

全国レベルより低い深センの幸福指数

この白書は、全国10都市、20歳から40歳までの約7万人の中レベルの収入の市民を対象に実施した「中国の中産階級家庭の幸福指数調査」の結果で、年収は5万元以上を基準にしている。

調査によると、幸福だと感じる人が多いのは、年間収入では11万元から20万元、年齢では30歳から35歳までの人たちで、中都市に住む人たちの幸福感のほうが、北京や上海のような大都市より強かった。深センなどの大都市の人たちの幸福感の平均指数は全国レベルを下回っている。

また調査対象者は、家庭の幸福に影響を及ぼす最も重要な要素は、健康や心の知能指数、財力、家庭の責任など社会環境だと答えた。その他にも家族どうしの交流は家庭の幸福を守る重要な要素で、大都市の人たちの幸福感を引き下げる理由は、家族と一緒の時間が少ないことだった。

心を病む人が一番多いのも深セン

深セン市に住む人たちの不幸感は様々な場所に表れている。あるバーの経営者は、「中国の5つの都市でバーを経営したことがあるが、深セン市の人たちがバーに来る目的は他の都市の人と違い、ストレスや不満を発散して、ただ酔うことだけを求めている」と話す。

深セン市精神疾病流行病の調査チームが数年前に全市民に対して行った調査は驚くべきものだった。それは5人に1人が精神病にかかるという21.19%の高い数値で、10年前の4.4倍にもなった。

深セン市康寧病院の副院長で精神衛生センターの楊洪副主任は「ここ数年、他の地域の調査と比べてみると、深セン市に住む人の精神病を患う割合と発病率は全国トップで、経済が発達している浙江省は17%だった。私たちの病院に設置されている心のホットラインには、毎日40件余りの電話がかかってくるが、その多くが若者や高学歴、高収入の人たちだ。また毎年の自殺者は2000人に達し、交通事故の死亡者数を越え、全国的に見ても非常に多い」と話す。

そして楊洪副院長はこう続ける。「仕事のストレスが増え、生活リズムも速い。また深セン市の家族間の感情は希薄で、ほかの都市よりも『家』の概念が弱まっている。そのため多くの人が精神的なストレスに関して家族の慰めを受けることができず、気を晴らす場所もどこにもない。また住宅ローンや子どもたちも大きなストレスになっている」

「チャイナネット」 2010年3月17日

 

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