13日から始まった激しい降雨により、江西省・福建省など、中国南部の10省(自治区)では深刻な洪水災害に見舞われている。被害者は累計2914万人にのぼり、うち、死亡者は199人、行方不明者は123人、避難者は237万6千人に上っている。倒壊した家屋は19万5千軒、直接的な経済損失は約421億元に上った。南部の主要河川11本で同時に洪水が発生するのは、近年ではめずらしいという。国家洪水防止・干ばつ対策総指揮部が22日に明らかにした。
同部の責任者によると、南部の洪水被害が深刻となったのは、様々な種類の災害が頻繁かつ重複して発生していることが主な原因だという。また、以下の2つの集中があげられる。
(1)被害発生地域が集中している。農作物の被害面積、被災人口、直接的な経済損失の7割以上が、主要被災省(自治区)に集中している。
(2)死亡原因が集中している。死亡者のうち、山津波でなくなった人数が、洪水による死亡者数の9割以上を占めている。
財政部・民政部は22日、福建省、江西省、湖南省、広西チワン族自治区、貴州省の5省(自治区)に対し、中央災害救助資金2億5300万元を緊急に割り当てた。この資金は、これら重点被災地域における緊急避難など、応急対策のサポートに使われる。
民政部はこのほか、テント1万2500張を被災地に届けたのに加え、江西、福建、広東などの被災地に対し、避難生活を送る人々へのサポートとしてテント1万8千張、綿入れの掛け布団2万枚を追加輸送した。
「人民網日本語版」2010年6月23日