日本の高齢化社会保障の堤防に突き当たる「暗流」 

日本の高齢化社会保障の堤防に突き当たる「暗流」 。 緊急に実施された調査では、所在不明の高齢者は東京都だけなく、厚生労動省は4日までに少なくとも、所在不明になっている100歳以上の高齢者22人を確認した…

タグ: 高齢化,所在不明,長寿

発信時間: 2010-08-05 15:38:33 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

もし113歳の古谷ふささんが生きていれば、東京都の最長寿者である。しかし彼女が生きているかどうかは誰も分からない。古谷さんの娘さんが最後に母親と連絡したのは20年前だ。 

111歳の都内最高齢男性の加藤宗現さんも亡くなっていることが判明した。遺体は30年余り放って置かれ、そのそばにあった「最新」の新聞は1978年11月だった。

統計データの信頼度に影響 

緊急に実施された調査では、所在不明の高齢者は東京都だけなく、厚生労動省は4日までに少なくとも、所在不明になっている100歳以上の高齢者22人を確認した。 

日本は高齢化が最も速い先進国で、長寿大国でもある。日本の政府が先週発表した統計データによると、2009年の日本人女性の平均寿命は86.44歳で、25年続けて世界一、男性は世界5位で、全国で100歳以上の高齢者は4万人を超えているという。 

これらの100歳以上の老人の所在不明は、統計データの信頼度に影響を与えるだけでなく、日本の社会が日増しに深刻化する高齢化問題に直面した時、法律や行政などに多くの不備が生じるだろう。それに暴露された肉親の情の「行方不明」は、さらに義理人情を重んじる日本人を残念がらせるに違いない。

肉親の情の「流失」 

普通の日本人の老後は、公立や私立の老人ホームや家で送り、家での老後は家族と住むかあるいは一人暮らし。日本でよく聞かれる孤独死の多くは独居老人だ。しかし福利機関や職員が度々訪問するため、通常は死後すぐに発見されることが多い。 

しかし今回の高齢者の所在不明は、上記の事例とは明らかに異なる。戸籍上こうした所在不明の高齢者は家族と住んでいることになっており、その人たちが亡くなったり行方不明になったりした場合には、家族は直ちに届出する責任がある。しかし今の法律では、福祉機関が強引に高齢者の安否を調査をする権利はなく、通報か家族の「良心」に頼っているのが現状だ。 

新聞では加藤さんの事件で、モラルの低下という言葉が多く見られるが、加藤さんの家族は父親の口座から、数百万円の年金を出したことを認めている。 

家族が亡くなったことを報告せず、かわりに年金を受け取ることはできない。しかし古谷さんの所在不明は更に深刻だ。日本のメディアによると、最近分かった大部分の高齢者の所在不明事件では、家族はお金のためではなく、老人の生死については「連絡もせず、知らず、関わらず」だったという。 

この肉親の情の「流失」は、日本の高齢化社会保障の堤防に突き当たる「暗流」である。なるほど日本の社会が性善説に立脚した養老関連の法律に、手を入れるべきかどうか考え直し始めていることがようやく分かった。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年8月5日

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