3年に1度の経済協力開発機構(OECD)学習到達度調査(PISA)調査結果がこのほど発表された。PISAに初参加した上海の15歳の生徒が読解力、数学、科学の全3項目でいずれも首位となった。
この結果は国内外の教育界とメディアの関心を広く集めている。 欧米のマスコミ各社は「意外」と驚きの声を上げ、上海とアジア教育の成功例を引き続き分析している。米教育省のアーニー・ダンカン長官は自国の生徒の評価を引き合いに出し、危機感を示した。
一方、中国国内では多くの論議を呼んでいる。ある論評は「中国の教育が遅れをとっているという事実を覆い隠すことはできない」と指摘した。
昨年4月、OECD の基準により、上海市内152校の生徒5115人が、市内全域の中学校に通う15歳の生徒約10万人を代表してテストに参加、参加率は97.8%、カバー率は98.6%に達した 。
テストの結果、世界で参加した約47万人の15歳の生徒のうち、上海の生徒の読解力は556点で、2位の韓国を17点上回った。数学は600点(2位とは38点差)、科学は575点(21点差)だった。
読解力の上位5カ国・地域は順に、上海、韓国、フィンランド、香港、シンガポール。数学の上位5位は上海、シンガポール、香港、韓国、台湾。科学は上海、フィンランド、香港、シンガポール、日本。フィンランドを除き、アジア各国・地域が上位を独占した。
「PISAは世界的な教育研究にすぎず、テスト結果に比較可能性があるわけでもない」。「飛び抜けた成績」について、PISA中国上海プロジェクトチーム責任者の張民氏は冷静にこう答えた。
張氏は、上海と 香港・マカオ・台湾が地域として参加したほかは、ほとんどが国単位で今回のPISAに参加したため、サンプリングされた生徒のカバー率が大きく、違いはより大きくなると指摘。上海のテスト結果についても、地域によって差異が極めて大きい中国の教育発展レベル全体を反映するには極めて不十分だとしている。
「人民網日本語版」 2010年12月21日