2008年5月12日、四川大地震が発生した日に生まれた子供たちは、中国では「地震宝宝(地震赤ちゃんの意)」と呼ばれている。四川省綿陽市遊仙区に住む陳震揚君もその一人だ。今年5月12日、震揚君は3歳の誕生日を迎える。
震揚君の母親、周閔さんは遊仙区東林小学校の国語教師だ。地震発生当時、周さんは出産予定日が近づいていたが、地震のショックで破水、綿陽市の病院に担ぎ込まれた。産婦人科の担当医は余震の危険性がある中、周さんと赤ちゃんの命を守るために帝王切開手術を行った。周さんは無事男の子を出産し、「震揚」という名をつけた。「震」は地震を、「揚」は発揚を意味する。困難を恐れず、粘り強く、一生懸命に努力する四川の人々の精神を発揚し、前向きに生きていってほしいとの願いをこめたものだ。
今年の5月12日で3才になる震揚君は、すでに身長98センチ、体重16キロの立派な男の子に成長した。
この3年間、震揚君は現地政府や医療スタッフだけでなく、彼が地震の日に生まれたことを知る周囲の多くの人々からの愛に包まれて育ってきた。
地震からの3年間、周さんは時間と命を以前よりももっと大切にするようになり、震揚君にも、生きる上で全てを大切にするよう教えているという。周さんは震揚君が地震の日に生まれたことを故意に強調するつもりはないが、震揚君が無事に生まれてくるためにたくさんの人が努力し、その後も多くの人の関心と助けを受けてきた。だからこそ、息子にはしっかりと努力し、感謝を忘れず、できるだけの力を発揮して、人々からの助けと愛に報いなければならないということを伝えていきたいという。