第14回中国病院院長フォーラムが14日と15日の両日、武漢で開催された。中国病院協会の曹栄桂会長はフォーラムで、全国県級病院の90%が赤字に陥っていることが調査の結果判明したことを明らかにした。
曹会長は、政府による財政投入不足が県級病院発展における主要問題のひとつだと指摘、「政府投入が病院支出全体に占める割合はかなり低く、十分な額の補助が各病院に行き届いていない。これでは、病院が生き残りのために利益第一主義に傾くことは避けられない」と語った。病院の負債の多くは、患者から受取った医療費で返済していることから、薬代を含む医療費の急激な上昇がもたらされたという。
曹会長はまた、県級病院の発展の足かせとなる問題として▽人材育成が立ち遅れていること▽ハイレベル医療従事者と専門人材の不足、不安定な人材配置▽医療設備の配置不足、インフラ建設の立ち後れ、新型農村合作医療(新農合)制度の全面的普及に伴い、医療衛生保健に対する国民のニーズが急増したが、既存の県級病院医療サービス環境がこのニーズを満たすのに十分でないこと▽医療技術レベルとサービス能力がかなり立ち遅れており、医療の質が低く、患者が県外の病院で受診するケースが多いこと--を挙げた。
また、人材資源(マンパワー)・社会保障部医療安全司の姚宏司長はフォーラムで、今年の全国医療保険歳出が医療機関総収入の50%以上を占める見通しだと明らかにした。姚司長によると、医療保険支出が医療機関収入全体に占める割合は、2000年の時点ではわずか3-4%だけだったが、2005年に24.3%に達し、2009年には36.7%まで増加したという。
「人民網日本語版」2011年5月16日