中国教育部語言文字信息管理司の李宇明司長は、2010年中国言語生活状況報告会(教育部、国家語言文字工作委員会共催)の席上で、「活気あふれる社会で、新語に人気が集まるのは当然の成り行きだ」と述べた。中国青年報が伝えた。
中国言語生活状況報告会は、教育部と国家語言文字工作委員会が毎年、国民の言語生活状況を報告する場で、今年で6回目となる。
インターネット技術が急速に発展している現代社会では、情報過多の傾向にあり、人々はますます「言語メディア」に偏りがちだ。話題の文字、流行語、「ミニブログ」などによって、膨大な量の情報が濃縮されて伝えられている。
李司長は、情報伝達手段の更新や言語メディア・伝播方法の変革は、人々の社会生活パターンを変えたと指摘、その例として、2010年は中国「ミニブログ元年」と言われミニブログに関係する一連の新語が誕生したと述べた。
「ミニブログファン」が「ミニブログ体」を用いて、「ミニブログ小説」を書き、「ミニブログ喜劇」を見て、「ミニブログニュース」を読む。また、「ミニブログ訪問」を行い、卒業を控えた学生は「ミニブログ履歴書」を送り、ネットサーフィンの達人は「ミニブログドメイン」を登録する。恋人達は「ミニブログラブレター」をやりとりし、「ミニブログで愛を語り合う」。「ミニブログ時代」に生活する人々は、ミニブログから派生した伝達方式、生活パターン、社会生態など各方面で「ミニ革命」を経験している。
インターネット時代は、従来のマスメディアによる情報伝達モデルを変えた。人々は、厳しい定義での「厳格な管理者」自身が「メディア」である時代から、全ての人々が言葉を産み出す時代になり、言語クリエイター・新語クリエイターになった。李司長は、新語の誕生が今ほど盛んな時代は過去になかったと指摘した。
国家語言資源監測言語データベースに登録されている2010年度の新語は500語に上る。
2009年からブームが続く「被○○」「楼○○」「○○門」「○○族」以外に、2010年には、「○○姐」「○○兄」「○○帝」「○○体」およびミニブログから派生した「微○○」などの新語が特別に人気を呼んだ。
また、各種マスコミは、話題の文字や流行語で1年間の主な社会生活を総括する方法も、ますます盛んになった。2010年11月10日付「人民日報」第一面では、「給力」という言葉が見出しを飾り、世論を賑わせた。言葉を用いて歴史を記録、社会を描写し、生活を反映することが、現代の特徴となった。このすう勢から、中国語版最大のオンライン百科「互動百科」は、自らを「言葉のメディア」と位置づけている。
李司長は、「新語がもたらす情報は、極めて高濃度に凝縮されている。それらが衰退・消滅するスピードもかなり速い」と話す。「精華」は社会発展の中でも生き残るが、「糟粕(残りかす)」は歴史の大河の中に沈んでいく。
「人民網日本語版」より2011年5月20日