中国国家観光局は「中国人観光者の日本への観光に関する安全注意調整通知」を発表、東日本大震災と原発事故から2ヵ月あまりが経過したことを受け、広東省の大多数の旅行会社で日本観光ツアーが再開された。業界関係者によると、大幅な割引価格ということもあり、最近発売された日本観光は一部の市民に受け入れられている。だが、大多数の市民は依然として放射能漏れを心配し、申し込み数が地震前の状態まで回復することは難しそうだ。安全が確実にならなければ中国人の日本観光への信頼を取り戻せないだろう。
多くの都市で日本観光が再開
最近、「安心九州4日間観光」ツアーに参加した26人の広東省からの観光客が日本へ出発。広東省から大震災後初の日本への団体旅行だ。第一陣のツアー申し込みは26人の定員が2日間でいっぱいになった。
広東省の観光再開に先駆け、香港はすでに日本への旅行を始めていた。4月16日、香港から震災後初の団体が日本へ出発、日本観光再開の序幕を開けた。内陸部の西安、武漢などの観光団体も4月末に日本へ、北京、上海、大連、深セン、中山などでも続々と再開した。
震災後低価格で観光客を集客
地震後の日本観光市場活性化のために、広東省の大型旅行会社の多くがすでに日本観光関連ツアーを売り出している。最低価格たった2999元からというツアーも多く、1000元以上値下げされている。最大下げ幅は5割にも及び日本観光史上空前の最低価格といえる。業界関係者によると、ある北海道ツアーは地震前約1万元だったものが、現在5、6000元程度、しかもツアーのレベルは変わらないという。
「広之旅日韓観光センター」の責任者によると、「日本観光市場の回復にはまだ時間が必要で、市場への刺激と信頼回復という観光再開の初期段階にあり、低価格高品質のツアーがとても重要な意味を持っている。今の申し込み数からみると、中国人にはやはり日本観光に行きたいという気持ちがある。その意欲に半額割引という刺激を与えることによって、申し込む人も徐々に増えてきている。」という。「南湖国旅」副社長も、目下、この会社への日本観光に関する問合わせ電話が1日100回を超えているといい、「中国人が日本観光に信頼を回復しつつあることを示している。」と述べた。