この写真に撮影された、獲物を狙うクマの恐ろしい表情は真にせまっている。なぜならこのクマは撮影の数秒後に撮影したカメラマンの星野道夫さんに襲い掛かり、この写真が星野さんが撮影した最後の写真になったためだ。
プロカメラマンだった星野さんがテントで休憩している時に、この大きなクマが突然出現した。プロ意識の強い星野さんは逃げることを選ばず、カメラを取り出して記録し、自分を襲うクマの姿を捉えたのだ。野生のクマの生存環境や自然の生態をカメラで記録し続け、最後はクマの手にかかってその一生を閉じた星野さんは、真のカメラマンと呼ばれるのにふさわしいだろう。
「人民網日本語版」2011年7月4日