日本福島県飯館村の村民パトロール隊のメンバー木幡佐貴子さんは一匹の放浪犬と道でばったり(9月10日)
「この家には問題なし」「この家庭の金魚にえさやり必要」「この家は人が戻ってきているらしい」木幡佐貴子さんと多田京子さん2人は、小さな農作業車に乗り、狭い村の道を通って、1軒1軒の農家を真剣に巡回する。木幡佐貴子さんと多田京子さんは飯館村村民パトロール隊のメンバーである。今回の福島第一原発事故で、飯館村は福島第一原子力発電所の周囲20キロメートル警戒区域以外の最も深刻な被害を受けた地域の1つとなり、日本政府から避難地域に指定された。6000人の村民が全員外地へ避難している。人がいない村を保護するため、飯館村役場は380人の村民で構成するパトロール隊を設立し、グループに分け輪番で村の中をパトロールをする。
福島第一原子力発電所事故からすでに半年が経ったが、飯館村の被害状況は依然として深刻だ。室外大気中の放射能濃度は東京の数十倍から百倍に達している。室外にいると、一日に2、3回のレントゲン検査に相当する被曝をする。
原発事故のため、メンバーたちは自分の飲用水と食べ物は外から持って入る。放射能被害を減らすため、パトロール隊はパトロールする回数を増やし、できるだけ1階のパトロールでメンバーが外に出ている時間を少なくするよう工夫している。こうした理由からメンバーの作業負担は高くなる。彼女たちがこの気楽とはいえない作業に参加する理由は、自分の村に対する愛情からだ。