1973年に始まった女子バレーボール・ワールドカップも11回を数え、日本は永久開催国となっている。今年は大震災後の復興という難題に直面しているにもかかわらず、日本バレーボール協会は少しも計画を変えることなく、6つの会場で11ラウンド66試合を緻密に手配している。国際バレーボール連盟は、日本を全面的に支持している。その大きな理由の一つは、日本バレーボール協会の長年蓄積してきた開催経験と熟練した運営手法だ。
バレーボールは日本で大変人気があり、この30年間に数十の都市でワールドカップの試合を開催してきた。しかし、日本バレーボール協会は、これまで宣伝に手を抜いたことはない。ワールドカップ組織委員会が発行した「記者用ガイド」の中には、往年の名選手である大林素子や中田由美子などが紹介されている。バレーボール選手の成長を描いたテレビドラマ「燃えろアタック」は、当時大変な人気を集めた。もしかしたら、テレビドラマの主人公、小鹿ジュンの影響を受けて、今のように日本代表のアタッカーである木村沙織選手がバレーボールの宣伝に起用されているのかもしれない。ガイドの中の各国のスター選手を紹介する部分では、日本の選手が半分近くを占め、木村選手は最初の2ページにわたって紹介されている。試合会場では、彼女の画像と名前が横断幕になっている。試合中は、彼女の名前を叫ぶファンの声が絶えない。会場にあるグッズ売り場では、12番の背番号のユニフォームが特によく売れている。
開催国の常として、規則の許す範囲内でチームとファンのために試合条件をよくすることができる。日本チームはすべての試合が夕方に開催されるのが、すでに慣例となっている。ほかのチームは、早く起きなければならないことや昼休みを返上しなければならないこともある。日本チームと対戦する時にようやく夜の試合ができるが、それは全くのアウェイゲームだ。
300円の応援用風船をポンポン鳴らして、観衆は試合の前に何時間も応援の練習をする。力強いリズムに合わせて大きな声援をあげ、試合の雰囲気を盛り上げる。中国のアタッカー恵若琪は「こういう雰囲気には本当に自分の気持ちを変えさせられてしまう」と話す。
大会の組織にあたっては、管理とサービスが相互に補い合っている。会場外ではスタッフが「会場」と書かれたボードを掲げて通路を案内し、場内でもボランティアが観客の席を案内している。これらのスタッフの年齢は幅広く、親切で、観客を喜ばせたい一心で働いている。観客席には学生からお年寄り、寝ている赤ちゃんを抱いた母親もおり、ここではバレーボール観戦はまさにすべての人が共有する娯楽になっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年11月19日