世界的にも独特な文化現象である中国中央テレビの「春節晩会(旧正月の前日、大晦日の夜に放送される春節番組、日本の紅白歌合戦に相当)」は、バラエティー番組として世界一の高視聴率を記録し、出演者数の規模が年々増大している。近年の中国メディアの開放に伴い、中国らしい特色ある同番組は閉鎖的な内輪の娯楽ではなくなり、国際化が進んでいる。中国全土の衛星テレビ局が攻勢をかける中、同番組の内部競争も熾烈化している。2012年、全国各地の春節番組に出演する外国人スターは、人数の面でも「質」の面でも新記録を樹立した。環球時報が報じた。
◆外国人スターが揃い踏み
「亜洲時報」は、「いつからか、中国の春節番組に外国人が欠かせなくなり、特に近年その傾向が強い。中国は世界各国の目を引きつけている」と報じた。今年、中国各地の春節番組に出演する外国人は、そうそうたる顔ぶれだ。上海市は木村拓哉をはじめとするSMAPを、江蘇省は英国人歌手のポール・ポッツとカナダ人歌手のアヴリル・ラヴィーンを、天津市は韓国のアン・チルヒョンを招いた。北京市は「欧州のデビッド・カッパーフィールド」と呼ばれるスイス人マジシャンのピーター・マービー、デンマークのソフトロックバンドのマイケル・ラーンズ・トゥ・ロック、そして日本のEXILEを招いた。安徽省は新旧アイドルとして、ジャネット・ジャクソン、ジャスティン・ビーバーを招いた。各国のスターたちが、中国の紅に包まれた春節番組に異国情緒を添える。
中国中央テレビの春節晩会は今年も中国人スターが中心となるが、同局が放送する「ネット春節晩会」には「株の神様」ことウォーレン・バフェットが出演し、ギターの弾き語りを披露する。元NBAプレイヤーのシャキール・オニールは湖南省の春節番組に出演する。シャキール・オニールは出演費の問題で、中国人に新年の挨拶をする機会を逸するところだったが、最終的に約束通り中国を訪れることになった。シャキール・オニールの出演料は、100-300万元(約1200-3600万円)と見られる。