ユニクロによる大学1年生の採用から日本の大学教育を考える

ユニクロによる大学1年生の採用から日本の大学教育を考える。 日本では毎年秋になると、大学三年生は就職活動が忙しくなり、授業に出席できなくなる。今年12月1日に就職活動が解禁されてから、大学の授業には人があまり来なくなった。普通に考えれば、企業はまもなく卒業する4年生を採用すべきなのだが、ほとんどの日本企業は他の企業に人材を奪われないよう、3年生から採用を始めている…

タグ: 就職,ユニクロ,卒業

発信時間: 2012-01-25 10:06:09 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

日本では毎年秋になると、大学三年生は就職活動が忙しくなり、授業に出席できなくなる。今年12月1日に就職活動が解禁されてから、大学の授業には人があまり来なくなった。普通に考えれば、企業はまもなく卒業する4年生を採用すべきなのだが、ほとんどの日本企業は他の企業に人材を奪われないよう、3年生から採用を始めている。中には2年生を採用する企業もあり、日本の大学教育に懐疑の目が向けられている。 

このような状況の中、日本のユニクロが破天荒なアイデアを打ち出した。ユニクロの柳井正会長はこのほど、「ユニクロは大学1年生を採用する」と表明。すでに今年の4月2日に、内定を出したという。この社員は在学中は店舗でアルバイトをし、卒業と同時に正社員になる予定である。 

卒業と同時に正社員になる予定だというが、4月3日に退学して正社員になったほうがいい。ユニクロの年収は300万円(約23万元)ぐらいなので、4年間で1200万円(約92万元)になる。大学の授業料は私立だと3年分で400万円以上になるから、大学を中退して就職すれば、合計1600万円(約123万元)以上も得になる。一体大学に行く意味はあるのだろうか? 

実は公務員にもこのような例があった。日本政府は公務員に大卒の資格を求めていなかったため、国家公務員ともなると、在学中に合格した学生は中退するのが普通だった。これは別の角度から見ると、政府が「大学四年間の教育の意義」を間接的に否定していることになる。それでは日本の高校生はなぜ受験勉強をするのだろうか?

それは大学がシグナリングの機能をもっているからだ。企業が労働者を採用するとき、誰の能力が高いかを判別することはむずかしい。面接しても誰もが「私は能力がある」とアピールするので、優劣がつけにくい。こういうとき多くの人が合格に多大な労力をかけ、点数で序列がはっきりしている入学試験があれば、卒業した大学を見るだけで学力試験をしなくてもいい。また、給与を決める際の基準にもなる。 

特に日本の企業は、文科系の大学で何を勉強したかは問わず、専門とは無関係の部署に配属して社内教育で人材を育成する。長期雇用でいろいろな仕事をさせるためには、大学の専門なんか意味がなく「コミュニケーション能力」や「バイタリティ」があればいいのだ。もちろん元気だけよくても頭が悪いと使い物にならないので、それは学歴が重要なシグナルになる。 

ユニクロの決定は「日本の大学にはシグナリング装置としての意味はあるが、教育機関としては意味がない」と宣告しているのである。受け入れがたいと感じる人も多いだろうが、残念ながらそれは正しいのだ。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年1月25日

 

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