中国青少年研究センターは本日、少年児童があこがれるアイドルと模範的人物に関する教育調査報告書を発表した。
約1年間をかけて行われた同調査によると、少年児童があこがれる対象は、スターに移り変わりつつある。少年児童の7割弱は文化界・スポーツ界のスターを崇拝の対象とし、文学者、芸術家、思想家、英雄、政治家、軍事家の比率はいずれも約3%、科学者は2.3%、労働模範(人民が模範とすべき労働者)は0.4%のみとなった。専門家は、「少年児童は自我を探求する際に、社会的に認められている理想的なスターを崇拝している。今回の調査結果はまた、商業的な目的によるスターの演出を反映している」と指摘した。
少年児童の模範的人物は、身近な同級生や同年代の児童が、最も高い比率を占めた。人柄がよく成績優秀な努力家が、学生にとって模範とすべき品格を最も備えている。同年代の児童は互いに影響し合い、励まし合うことができるので、模範となりやすい。また過半数の学生は、学校の模範的人物を利用した教育を好まないと回答した。
同調査によると、女性の模範的人物が占めた比率は男性を大きく下回り、最も比率が高かった「母親」でも13位であった。教材やメディアの型にはまった性別のイメージが、女子の自我の形成に影響しており、女性の模範的人物が欠如する結果を招いている。
これまで児童に崇拝されていた科学者は、今回の調査で大きく得票率を下げた。その一方で、ビル・ゲイツ氏、スティーブ・ジョブズ氏、馬雲(ジャック・マー)氏らが得票率を高めた。専門家は、「崇拝の対象が科学からビジネスへ移っていることは、現代社会の価値観の大きな変化、精神的価値の喪失を反映している」と嘆いた。
「人民網日本語版」2012年3月2日