有名なマンガ家・鳥山明による日本の漫画作品「ドラゴンボール」は、日本でみんなが知っているだけでなく、世界でも大人気の作品だ。アニメは40カ国で放送されているほか、2009年、ハリウッドで実写映画に改編された。マンガの販売もさらに3.5億冊に達した。この作品が各国から注目を集めている原因について、日本人心理学者・内藤誼人さんは心理学の角度から分析を行った。
内藤誼人さんによると、「ドラゴンボール」の魅力は、登場人物の豊かなキャラクターとストーリの複雑さなどの多くの面に現れているが、しかし最も人々の共鳴と懐かしい感じを呼ぶのはストーリ設定である。この作品は戦闘を主とするが、多くの場面で「西遊記」を原型とするシーンが採用されている。人物が着ている武術服、初期武器がなく戦闘するなど古典の要素が溢れ、懐かしさを無限に感じさせる。
人類は以前認識したものに対して共感するものだ。ワシントン大学の教授は、かつてある試験を行い、昔を懐かしむタイプ(例えば草原と湖など)と昔を懐かしむタイプではないもの(例えば高層ビルなど)の2種類の写真広告を159人に調査した。好きな1種類を選択させたところ、昔を懐かしむタイプの写真広告が高い評価を受けた。つまり、もし初めに「ドラゴンボール」の舞台を宇宙と設定していたら、人気は大幅に弱待った可能性がある。
内藤誼人さんはまた、大人気の「ワンピース」も16世紀から18世紀までの大航海時代を背景にしたストーリーであるという。みんなが熟知するものをストーリの背景に設けることで、読者は強く入り込める感じがあり、さらに人物の感じを体験したような共鳴を引き起こす。
そのため、「ドラゴンボール」が大人気になる原因は、その「昔のストーリ設定」と関係がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年3月14日