中国と南アフリカの研究者は、最新の「南アフリカ科学雑誌」(3月号)で研究報告書を掲載し、「北京原人の頭蓋骨の行方に関する新たな手がかりを発見した」と発表した。 情報によると、1941年に失われた北京原人の頭蓋骨の化石は、秦皇島の駐車場の地下に埋まっている可能性が浮上した。北京日報が報じた。
北京原人の頭蓋骨の化石が、秦皇島の倉庫および停車場の地下に埋まっているという情報は、同頭蓋骨の唯一の手がかりではない。周口店遺跡博物館は27日、頭蓋骨の行方について世界各地から119件の情報を入手していることを明らかにした。
同博物館の担当者は、手がかりの選定について下記のように紹介した。まずこれらの手がかりを、記憶・伝聞・写真等に基づき分類し、専門スタッフが情報を選定し、最終的に専門家が研究を行い、実地検証の必要があるかを判断する。現在、これらの手がかりの多くは、専門家による論証の段階に入っている。
同博物館はこれまでに、最も信ぴょう性の高い4つの手がかり(うち3つは北京からの情報)を発表している。1つ目は1985年にもたらされた情報だ。考古学者の賈蘭坡氏は自伝執筆にあたり、甘粛省の教授に協力を依頼した。同教授は日本で、米軍将校が極東軍事裁判で行った証言の録音を入手し、その中に頭蓋骨の紛失に関する最も直接的な証言が含まれていたという。2つ目はある男性が提供した情報だ。この男性の知り合いである協和医院の医師は、「父が頭蓋骨を持って帰宅し、その頭蓋骨を他人の家に埋めた」と述べたという。3つ目は北京出身の男性が提供した情報だ。その男性の知り合いの老人が、頭蓋骨を持っているという。
4つ目は江西省から提供された手がかりだ。情報によると、現地にはかつて孫文の配下の高官を務めた121歳の老人がいるという。この老人は、「頭蓋骨は中国国内にあり、どこにあるかも知っている」と述べた。
周口店遺跡博物館の関係者は、「これらの手がかりに対して、一つずつ選定を行っていく。価値ある手がかりを無駄にすることはない」と語った。
「人民網日本語版」2012年3月28日