香港・仏教界の招きで、南京市から香港に25日運ばれた仏教の開祖・釈迦(ゴータマ・シッダールタ)の頭部・仏舎利(舎利=遺骨)を崇め幸福を祈る儀式が30日、閉幕した。世界唯一とされる同遺骨は、仏教徒の間で極めて崇高な崇拝の対象となっており、6日間にわたり香港コロシアムで開催された同儀式で、香港の仏教界は極めて厳粛な儀式を数々実施。延べ30万人以上が訪れた。中国国営の「新華社通信」(電子版)が報じた。
30日午前に開催された「円満法会」には、香港仏教聯合会の会長・覚光長老や中国仏教協会の会長・学誠法師、香港特別行政区政府民政事総署の署長・甘美華などの来賓が出席。覚光長老が信者にあいさつや祝福の言葉を述べた。「阿育(アショカ)王塔」と呼ばれる宝塔の中の金の棺桶に収められている同遺骨は同会終了後、釈迦の名を唱える信者らの声や花を撒く僧侶に見送られ移送。会場は厳粛な雰囲気に包まれた。護衛隊によって専用車に載せられた同遺骨はその後、空港に運ばれた。
空港に運ばれた後、チャーター機に載せられた同遺骨は午後1時半ごろ、マカオに向かって出発。マカオ国際空港に到着後、1日から3日まで開催される儀式に備え、東亜運動会体育館に運ばれた。
考古学者は2008年、南京市の大報恩寺遺跡で宋の時代の(960年-1279年)長干寺地宮を偶然発見。同年11月、「阿育王塔」の中の金の遺骨に納められた同遺骨が出土した。そして10年6月、中国仏教界は南京栖霞寺で数世紀にわたり眠っていた同遺骨を公開する盛大な式典を開催した。
「人民網日本語版」2012年5月3日