「中国は排他的な国か?」、この中国人の多くが想像したこともない問題が、今週、欧米のメディアで真剣に扱われている。中国のある司会者が先週マイクロブログで発した「欧米のゴミを一掃しよう」という発言を、民衆を「排他」に扇動するものと決め付け、北京市で集中的に行われている「三非(不法入国、不法滞在、不法就労)外国人一掃運動」を「義和団」と比較して論じている。24日付けの「環球時報」が伝えた。
AP通信社にいたっては、新排他主義の風潮は中国が直面している経済成長減速などの「国内問題」に関係あると絡め、米紙ニューヨークタイムズは、「排他性は中国が台頭してきたプロセスで発生した新しい風潮では」と疑問を呈している。22日、「ぬけぬけとすぐに分かる嘘をいうものだ」とあるネットユーザーがこうした欧米の中国の排他性に対する喧伝に反発した。反対に彼は、「中国が外国人に与えている自国民以上の待遇に意見がある」とコメントしている。
「欧米は最近、中国にさまざまな指摘をしているが、排他性という汚名は今回初めて出てきたものだ。こうした騒ぎは中国が外国人に与えてきた自国民以上の待遇が失われつつある喪失感から来ているのでは?」と、中米研究者の金燦栄氏は23日、環球時報で語っている。
「中国の排他性」に関する話題は韓国メディアでも懸念を呼んでいる。23日、韓国紙・韓民族新聞は、欧米メディアに類似した論調で、中国は「外的な事件」を利用して民衆の注意をひきつけている、北京在住の韓国人が集まっている望京、五道口、三里屯などが「三非外国人」一掃の重点エリアとなっていると指摘。韓国テレビ局MBCでは、100日間の集中捜査で中国在住の韓国人は「非常事態」となっていると報道。情報筋によれば、現在、中国で不法滞在している韓国人は2万人を超えており、6人に1人の割合で不法滞在者だからだという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年5月24日