小学1年生の保護者に対しても同じ内容の調査を実施したところ、保護者が子供に将来就かせたい職業もごく平凡であることが分かった。トップは、男の子が「公務員」、女の子が「看護師」だった。この結果は昨年と同じもので、日本人の子供に対する教育は現実性を重視し、高望みはしないことがここから見て取れる。中国には「将軍を目指さない兵士は良い兵士ではない」という言い方があるが、日本人の物の見方では「将軍を目指さない兵士も良い兵士」なのだ。このような教育理念から、子供たちは将来のために真面目に勉強に励み、大きくなってからは、常に他人にライバル意識を持ち、張り合うような事態は避けられるようになる。
日本から目を転じ、中国について思いを馳せた。中国人の子供は、「将来就きたい職業は?」と聞かれると、「科学者」「発明家」「社長」など、まるで夢に近いような職業を答える。しかし、実際には「メンツ」や「目先の利益」だけを追い求める中国社会の現状を浮き彫りにしている。どうして日本の子供たちの理想はこれほどにも地に足の着いたものなのだろう?ほとんどの日本人は、大勢の中で目立つよりも、流れに任せて多勢に従う方が良いとし、「謙虚」は最大の美徳だと考えている。このような考え方は、教育を通じて子供たちにも根付いている。日本の学校では、クラス委員に選ばれることは特に名誉なことではなく、選ばれる際にも個人の能力が重視されるわけではない。クラスのみんなに対する奉仕精神があるかどうかで決まる。従って、クラス委員を決める時には、教師による指名や生徒による選挙という方法をとらず、自己推薦が多い。立候補者が多数いる場合は、じゃんけんなどで決める。学校は「教育における平等」を極めて重視しているため、子供たちには「職業に貴餞なし」という考え方が根付いている。このようにして、日本の子供たちは理想の職業を選ぶとき、身の回りで頻繁に接する職業を自然と選ぶようになり、全く純粋な好みから、将来就きたい職業を選んでいる。
(新華網日本語) 2012年7月8日