中国国家発展改革委員会(発改委)は21日、観光地80カ所の入場料を大型連休前に値下げすると発表した。値下げ幅は平均37%、うち13カ所は無料での入場が可能となる。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
対象となる80カ所の観光地では、大型連休前に一斉に値下げが行われる。これは、「祝日が来ると必ず値上がりする」という従来の悪循環を断ち切る「恵民措置」であり、当然評価されるべきものだ。しかし、値下げ対象となっている観光地を細かく見てみると、その多くは、あまり名の知られていない「マイナー観光地」で、観光地としてのレベルは総じて高くない。ネットユーザーはこれについて、「どうってことない」「特に有り難くもない」とあからさまに書いている。
入場料が値下げされる対象が「マイナー観光地」、かつ「連休期間」に限られるのなら、この恵民措置は、実際には無意味だ。逆に、観光地入場料の値下げ・無料化政策において、まずは有名観光地を対象とし、有名観光地から率先して実施し、国民に最大限の利益を還元すれば、「モデル効果」が発揮され、「バタフライ効果」が誘発され、最終的により多くの実質的利益が国民にもたらされる。
もともと備わった公共的属性や公共的メンツのためであれ、入場料バブルや「目先の利益を優先する経営」のリスク回避のためであれ、公共資源で成り立っている観光地は全て、入場券の売上だけに着目するのではなく、ユニークな個性を持つ観光市場を、さらに活性化・強大化するよう努めるべきだ。観光地内のレンタル、サービス、関連グッズ販売などを通じて、プレミアム収益の獲得を目指すことで、庶民的価格の「入場料」収入を補い、健全な観光産業発展と観光地の長期的・安定的な収益増を実現させる。特に注目すべきは、全国各地にある公共観光地の入場料が合理的な価格レベルにまで戻り、「庶民的価格」のレベルを維持出来れば、国民がより頻繁に旅行に出かけることは、必然のすう勢となる点だ。
現状に立脚して将来を展望すれば、公共観光地の入場料は、さらなる値下げ・無料化の方向に進むであろう。具体的な内容としては、(1)対象となる観光地は、「マイナー観光地」から有名観光地に拡大される(2)対象となる時期は、一部の法定祝祭日からその他の時期に拡大される(3)値下げ幅・レベルから見ると、「やや値下げ」がまれに実施されるという現状から、今後は、公平・公正、科学合理的な見地から妥当な値下げが行われる---の3点が挙げられる。これらを実現するためには、国家発改委がより果断な決断を下す必要があることはもちろんだが、各級政府もより大きな責任を担わなければならない。
「人民網日本語版」2012年9月26日