ドイツで先月下旬から、子供を中心とする1万人以上が中国から輸入された冷凍イチゴを食べたあと食中毒になったとされる問題で、中国質量監督検験検疫総局は11日、「ドイツにイチゴを輸出した企業のサンプル製品を検査したものの、ノロウイルスは検出されなかった」として、中国国内のノロウイルスが原因とするドイツ政府の主張に反論した。中国国営の「新華社通信」のウェブサイトが報じた。
問題を重く見た同総局は食中毒発生後、即座に検査・検疫機構に関連の生産企業に対する調査を実施するよう指示を出していた。
調査の結果、問題となった冷凍イチゴは山東省の食品加工会社が輸出したことが判明。同社の生産、加工、保存、運輸などの過程はいずれも食品安全衛生基準に達していたという。製品は輸出前に、検査・検疫機構の食品安全リスク検査を受けており、合格後出荷された。
検査・検疫機構は9日、同社の倉庫に残っていたすべての製品の出荷停止を命令し、サンプリング検査を実施したものの、ノロウイルスは検出されなかった。また、同じように生産されほかの8カ国に輸出された冷凍イチゴに同様の問題は起きておらず、リスク調査や検査結果の分析では、急性胃腸炎を引き起こした冷凍イチゴが輸出前にノロウイルスに汚染されていた科学的証拠はないとしている。
同総局は初期調査状況をすでに同問題を調査している欧州連合(EU)とドイツ側に提出し、「冷凍イチゴが消費者のもとに届くまでに、生産加工、保存、運送、代理配送、盛り付けなど多くの過程を経ている」とし、ドイツ側に「調査を実施して感染経路を特定する」よう求めた。中国は「今後もEUやドイツと情報交換と協力を強化し、引き続き調査を進める」としている。
同総局はさらに、中国各地の検査・検疫機構に、輸出する冷凍イチゴの生産企業に対する監督・管理を強化するよう指示を出した。
「人民網日本語版」2012年10月12日