フランスのあるエンジニア学院で修士課程に通う中国人留学生・李渊棟さんは最近、友人に頼まれてぜいたく品を頻繁に代理購入することが、肝心の学業に大きな影響を及ぼしていることを嘆く「心の叫び」をネット上に投稿した。「長期間、ロマンチックでオシャレなフランスに留学しているのが災いして、ぜいたく品の仕入れ屋のようになってしまっている。購入の際にもいろいろと注文をつけられて、堪忍袋の緒が切れそうになったことが何度かある。だからここで、少し愚痴をこぼしたい」。この、「俺は修士学生で、仕入れ屋ではない」と題する日記は、ネットで話題になり、中国最大のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「人人網」だけでも、延べ8万6千回以上読まれた。
理工系の男子大学生が「オシャレの達人」に
「ある日、旅行バッグを背負い、思い出の詰まった故郷と寵愛(ちょうあい)してくれている両親に別れを告げ、一人でフランスを訪れた。しかし、今になって、自分は単なる仕入れ屋にしかなっていないことに気付いた」。李さんの文章スタイルはユーモアに満ち、「お腹を抱えて笑った」と感想を述べるネットユーザーもいる。また、この文体を「叫び体」と名付けるネットユーザーもいる。
「毎日、目にしているものと言えば物理公式のようなシステムコード!!!各種文献や論文は見る暇もなく、他人のバッグを買うために出かけて行かなければならない……。フーリエ変換をする時もルイ・ビトンのことを考えてしまう!コードの計算をしている時もロンシャンのホームページを見たくなる!行列や偏導関数の計算をしている時も、いろんなぜいたく品のことが気になっている!」。ぜいたく品のことは元々、あまり知らなかった李さんも今では、「オシャレの達人」になり、各種コットンの使い方やネイルの仕方などにも熟達し、各種化粧品のメリットとデメリットも把握している。
ただ、この種の知識を得るための過程が李さんの悩みの種。なぜなら、通っている大学から、ぜいたく品を買うために毎回、電車や地下鉄を乗り換えてパリまで行かなければならないからだ。ある時などは、両手に高価なバックを抱えて、満員の電車や地下鉄に乗って帰宅したといい、「危険だった」と嘆いている。