観光業促進を目指し、中国国務院は18日、休暇に関する政策の概要を発表。休暇の総日数を変えないという条件で、大学は夏休みや冬休みを実際の情況に応じて調整することができるとしている。また地方政府も夏休みと冬休みだけだった小中学校に、春休みや秋休みを取り入れることを検討できるようになった。旅客の分散化を目指し、同概要には2020年までに有給休暇制度を実施することが含まれており、子供を持つ親も、子供の休みに合わせて休暇を取ることができるようになると期待されている。京華時報が報じた。
同概要はさらに、小中学校の合宿を段階的に推進し、学校側が課外活動を通した教育を実践するよう働きかけるとしている。それに伴い、学校が加入することのできる旅行責任保険制度を整備するなどの指導・意見も含まれている。
北京市教育委員会の責任者は、「北京市の小中学校には現在、いずれも春・秋休みがない。今後、国の要求と市の実際の情況を照らし合わせながら、関連の規定を定める」とし、具体的な実施方法については、「今後さらに検討する」とするとしている。
旅客の分散化により学生旅行の安全確保
中国観光協会レジャー・バカンス分会の魏小安・秘書長は「現在、学生の団体旅行は冬休みや夏休みに集中している。ただ、旅行の時期が集中すると、コストの問題や安全の問題など多くの問題が起こる可能性がある。実際にはこれまでの春や秋に学校が実施していた旅行が春休みや秋休みの雛型と言える。日本や韓国では修学旅行を実施して、学生が視野を広げたり、さまざまな知識を身につけたりできるよう取り組んでいる。我々も現在、その方向に向かって努力している」と述べた。
保護者の心配は家計への負担
一方、小中学生に春・秋休みができる可能性があることに関して、小学1年生の子供を持つ朱さん(女性)は真っ先に「家計への負担が心配」と述べる。「現在、保護者の多くは女性でも仕事をしている。だから、休みが増えても、家で子供の世話をする人がいないため、塾や託児所に預けなければならない。そうなると、出費が増える」のだ。
朱さんはさらに、「子供が休みの時に使うお金は、学校に通っている時より多い。以前に子供を連れて、旅行へ行くことを考えたこともあるが、時間もお金もかかる。学校が、教育部門が規定する社会実践基地などでの活動を取りきめ、子供が本当の意味で楽しみ、保護者にも経済的負担が過度にかからないのであればいいのだが」と率直に語った。
「人民網日本語版」2013年2月20日