日本の治安について語るとき、「道路で拾った落とし物を猫ばばせず、夜は玄関を閉めない」と日本人はよく誇る。日本で落とし物をしても、一般的に誰かが持ち去り自分のもとにしてしまうことはない。多くの日本人は他人の落とし物に興味はなく、自分のものにするどころか、交番や落とし物預かり所などに直接届ける。生命時報が伝えた。
2005年のある日、記者は不注意にも入国管理局で財布を落とした。帰宅途中に気付き、入国管理局に戻ったが見つからず、肩を落として帰宅した。しかし翌日、交番から、私の財布が見つかったとの連絡を受けた。警官によると、ある男性が前日、入国管理局で見つけたと言って財布を交番に届けにきたという。財布を受け取ると、中の物はまったく変わっていなかった。私は警官にこの良心ある人の電話番号を尋ね、電話で謝意を伝えた。お礼を渡したいと伝えたが、男性はかたくなに断った。
日本の「遺失物法」によると、遺失物は警察で3カ月保管される。3カ月をすぎて持ち主が現われなかった場合、拾った人の物となるが、警察は預かった落とし物の情報をオンライン公開する必要がある。拾った落とし物を警察に届けず、自分の物にした場合は、一般的に1年以下の懲役、あるいは10万円(約6654元)以下の罰金となる。落とし主は落とし物が手元に戻れば、一定の謝礼を拾った人に渡す必要がある。
日本の子どもは幼稚園に入園すると、道徳教育を受け始める。先生は、自分の物でない物を持って行ってはいけない、拾った物は自分の物にせず、すすんで交番に持って行くよう、何度も強調する。拾った物を自分の物にするのはいけない、と教えるのだ。また日本人は、持ち主の分からないお金は「非常に危ない物」「身の災いを招くもの」などと考えている。日本人には、他人の落とし物についてこのような意識があり、よって人々は他人の落とし物、なくしたお金などを猫ばばすることを考えず、拾えば落し物預かり所や交番へ持ってゆくのだ。
日本には、落とし物を預かる場所がどこにでもある。地下鉄駅がある場所には交番があり(約2キロごと)、人々は拾った物をすみやかに交番に届けることができる。
「人民網日本語版」2013年3月11日