北京五輪の表彰式では、江蘇地方の民謡から作られた「茉莉花(ジャスミン)」のメロディーが流されている。この曲のオリジナルである「鮮花調」の無形文化財継承者を務める邵長栄さんにとっては感慨もひとしおだ。「新華網」が伝えた。
4年前のアテネ大会の閉幕式では、「茉莉花」を口ずさむ中国人少女が登場し、アテネから北京への五輪のバトンタッチを象徴する場面となった。ついに訪れた北京大会では、授賞式が行われるたびに、このオリエンタルなメロディーが流されている。
「茉莉花」の元となった「鮮花調」は60年以上前に、南京六合金牛山のふもとで現地の民間芸人が歌っていたのを、同地で民謡最終をしていた音楽家の何倣氏が見出したもの。「鮮花調」からインスピレーションを受けた「茉莉花」は全国的なヒットとなった。
「茉莉花」が有名になるにつれて、原曲の起源はどこかという声が高まっていった。だが今年80歳になる何倣氏も「鮮花調」の起源がどこかはわからないという。確かなのは、六合金牛山地区で何氏が1942年に初めてこの曲を聴いたということ。そして民間芸人の歌っていたそのメロディーにヒントを得て、何氏が「茉莉花」を作ったということだけだ。
「鮮花調」は07年、南京市級無形文化遺産に登録され、六合地方の民間芸人の邵長栄さんが継承人として認定された。67歳になる農民の邵さんはほとんど学校に行ったこともなく、楽譜も読めない。しかし邵さんが歌う「鮮花調」を聴いた人は、高く響きわたる味わい深い歌声に引き付けられずにはいられないという。
「人民網日本語版」 2008年08月11日 |