北京五輪の女子フルーレ個人が11日、北京国家会議センターのフェンシング館で行われた。午前11時に始まった1回戦で注目を集めたのは、カナダの欒菊傑とチュニジアのイネス・ブーバクリとの対戦。試合が行われる細長いピストに欒菊傑が上がると、会場からは大きな拍手がわき起こった。観客席では子どもたちが「ママ、頑張って。愛してる」と書かれた横断幕を振っていた。
ピストの一方で構える20歳のチュニジア選手は、対戦相手がなぜ中国でこんなに人気があるのかわからなかったに違いない。わかっていたのは、50歳という対戦相手の年齢が、自分のフェンシング歴で最高齢となることだけ。試合は、欒菊傑が13-9で30歳年下の相手を下した。欒は試合後、「祖国好」と書かれた幕を掲げ、勝利を観客席と分かち合った。
50歳になるこの剣客は、1984年のロサンゼルス大会に中国代表として出場した中国フェンシング史上唯一の金メダリスト。24年を経て五輪会場に戻った彼女は、故郷の親戚たちの前で再び剣を抜き、勝利を飾った。
|