今年の北京、桜の開花は遅くなりそうである。CRIの庭にある桜の木は、例年の今頃だと、もう雲か霞かのような花を咲かせて、花見客の気持ちをうきうきさせている。しかし、今年は今日になっても、まだ豆粒ほどの蕾しか見られない。
桜の開花を静かに待つことにして、北京の春の前奏曲と言えば、木蓮の花である。
昨日、夕暮れ時に局の庭を散策すると、木蓮の木にいつもと違う気配が漂っていることに気づいた。前日まで特になにもなかった枝には、今にも綻びそうな白い蕾がたくさん頭角を現している。
しかし、人間の性格に千差万別があるのと同じように、木蓮の木にもせっかちな木やのんびりした木がそれぞれあるようである。もう咲くぞと意気込んでいる木もあれば、まだ冬のままのような木もすぐに傍にあったりする。
本日も昨日におとらぬ晴天。青空に映えて、木蓮の一番咲きにレンズを合わせてみた。
今年の春は遅いとは言うものの、花もこう目覚めた以上、これからの成長が楽しみである。
「中国国際放送局 日本語部」より2010年4月4日