南米大陸の南極に近い場所には、破竹の勢いで成長する氷河がある。展望台に立つと、氷河の末端が目の前で崩壊するのが見え、氷河内部の圧力と断裂による音が聞こえ、氷河の流動性を体験できる。これがモレノ氷河だ。
モレノ氷河の高さは20階建てビルほどあり、全長は30キロ。20万年の歴史を持つ、世界でも数少ない「生きた氷河」の一つだ。夏には氷河が崩れる珍しい風景を観測できる。巨大な氷の塊がアルゼンチン湖に落ち、耳をつんざくような轟音により見る者は息を飲む。ところがすぐに、すべてがまた静けさを取り戻す。
モレノ氷河は氷河の中では「若者」だ。世界の氷河が縮小を続ける流れのなか、この海抜がわずか200メートルで、毎日30センチのペースで前進を続ける成長型の氷河は、「氷河時代」の生きた標本になっている。
遠くの氷河の間には、観光客の姿がある。これは国立公園内の独特な氷河徒歩ツアーだ。情報によると、観光客は特別なスパイクシューズを履き、ガイドに導かれ大昔の氷雪世界の中を漂う。
最も重要なのは、悠久な歴史を持つ氷で作るカクテルを試飲できることだ。力が湧くことは間違いない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年1月23日