これほど意欲的とは想定外で、周氏は企業側と相談し、次のような決定を下した。条件に合致する志願者を1月29日から2月9日にかけて交代で、毎晩7時から翌朝7時までの夜間生産作業に参加させるというのだ。
「招かれざる客」もあった。1月31日夜、上海市宝山区顧村からマイカーを100キロ以上運転し駆けつけた老夫婦の名前は、名簿に記載されていなかった。彼らは「春節中には上海を出ませんでした。健康状態は良好です。年齢制限はありませんよね?」と述べた。
「とても感動し、追い返すわけにはいかなかった」周氏によると、志願者の条件は非常に厳しく、健康かつ上海市を離れたことがない人に限られた。また彼らのために保険に加入しなければならなかった。そのため彼女は「心を鬼」にして、名簿に記載されていない志願者に帰宅するよう説得するしかなかった。
張城堯さんと妻の王麗君さんは今回の志願活動に参加した。張さんはマスク生産の最前線で「作業員」になり、王さんは志願者管理人になった。
「私と妻の職業は公益団体の責任者だが、今回の活動は他とは異なった」張さんによると、心の備えをしていたが、始めはやや不慣れだったという。生産ラインの現場は蒸し暑く、騒音が大きく、機械の生産ペースが速かった。仕事を始めたばかりのころ、自分が不器用だと感じたという。